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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
122部分:解かれた束縛と二人の賢者その三
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解かれた束縛と二人の賢者その三

「そうか、マンスターはマギ団が解放してくれたんだね」
「はい、そしてマンスターにいたレイドリックの息がかかった者達は全て捕らえ処刑致しました」
「これでレンスターの民衆を苦しめてきた三悪の力は完全に取り払われたんだね。後はブルーム王を倒すだけだ」
「いえ、トラキアがまだいます」
 ホークが深刻な顔で言った。
「トラキア・・・・・・。ターラで退いてもまだ諦めてはいないのか」
「セリス様、前にも言いましたがトラバント王は強欲で手段を選ばぬ男、おそらくこの機を狙っていたのでしょう」
 オイフェが自身の意見を述べた。
 「しかし前からフリージから援軍要請があったんだろう?それには言を左右にして動かないで何故今・・・・・・」
「フリージが劣勢になりマンスターでマギ団が蜂起したからでしょう。マギ団を倒したならマンスターを己がものとする大義名分になりますからな」
「だろうな。いkにもあの男のやりそうな事だ」
 シャナンがトラキアの方を見ながら忌々しげに言った。
「セリス公子、トラバント王は一粒の米や麦さえも残さず襲い、戦えない女子供さえも手にかける男です。すぐにマンスターへ向かいましょう」
「だがトラキア河の対岸にはまだフリージ軍がいる。彼等を倒さなくてはマンスターへは進めないよ」
 マンスターへの進軍を主張するゼーベイアにセリスが言った。
「それでしたら私に考えがあります」
 ホークが言った。その言葉に一同注目した。
「今の季節レンスターは乾季です。ですがもうすぐ雨の降る季節になります」
「それは知っているぞ。俺はアルスター出身だからな」
 イリオスが言った。
「レンスター出身の方も多いようですね。それでは話が早い。その雨を利用するのです。それも明日に」
「明日?何故?」
 セリスが問うた。
「絶対に雨が降るからです」
 天幕の入口から声がした。一人の青年が天幕に入って来た。赤い髪と瞳に白い法衣を着ている。
「卿は・・・・・・」
 ヨハンが彼の顔を見て声をあげた。
「初めまして、セリス公子。サイアスと申します」
「サイアス・・・・・・。天才軍師と謳われた宮廷司祭の・・・・・・!?」
「世の人達は私をそう呼んでくれている様ですね」
 サイアスはスッと笑った。
「しかし何故貴方がここに・・・・・・?バーハラを出奔され何処かへ去ったと聞いていたけれど・・・・・・」
「その何処かがここなのです。公子、貴方にお見せしたい物があって参上したのです」
「僕に?」
「はい、これを御覧下さい」
 サイアスはそう言うと懐からある文書を取り出した。
 内容はセリス達にとって特に驚くべきものではなかった。ランゴバルト、レプトール両公をシグルド公子に始末させ最後にシグルドをその軍もろ
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