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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
完璧 イチゴタルト
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。気持ちはわからないでもない、しかし上手く行っていない? どういうことだろう、何か問題でも有るのだろうか? 誰かが邪魔しているのか……。

「何故かな」
「さあな、分からん。中佐も知らなかった」
中佐も知らんか……。最近のトサカ頭は情報が早い。それもお天気女が原因である事は分かっている。一体何処から仕入れてくるのか。盗聴器でも仕掛けているのか……。

「ミッターマイヤー、そろそろお茶の時間は終わりにしよう」
「そうだな、ビッテンフェルト提督、ヴァレンシュタイン中佐、ご馳走様だった。また誘ってもらえれば嬉しい」

ミッターマイヤーの言葉にトサカ頭は軽く手を上げる事で答えた。お天気女は柔らかく微笑んでいる。次か、次はアップルパイだったな。あのサクサク感は……。



帝国暦 487年 4月22日   オーディン ローエングラム元帥府  オスカー・フォン・ロイエンタール


緊急の集合がかけられた。会議室には正規艦隊司令官達が集まっている。ローエングラム伯は我々を見渡すと話し始めた。
「カストロプの反乱だが討伐指揮官が決まった」

キルヒアイスか……。しかし妙だな、本人がいない。後から此処に呼ぶのだろうか?
「討伐指揮官はビッテンフェルト中将に決まった」
「!」

皆顔を見合わせた。ローエングラム伯がキルヒアイスを推薦している事は皆が知っている。それなのにキルヒアイス少将ではない、どういうことだ? トサカ頭も呆然としている。

「ビッテンフェルト中将」
ローエングラム伯が訝しげに声をかけた。
「はっ。必ず御期待に添います」
慌ててトサカ頭が答えた。



会議で話されたのは討伐指揮官の件だけだった。会議終了後、ローエングラム伯が立ち去ると残った艦隊指揮官の間で話が始まった。
「妙だな、キルヒアイス少将ではないのか」
ワーレンが太い声で腕組みをしながら言う。

「ヴァレンシュタイン中佐は上手く行っていないと言っていたな、ビッテンフェルト提督」
「うむ。そう言っていたな、ミッターマイヤー提督。しかし、俺が討伐指揮官? どういうことだ?」
トサカ頭はしきりに首をひねっている。

「誰かがキルヒアイス少将が討伐指揮になることに反対した。そしてビッテンフェルト提督を推薦した、そういうことではないか?」
「ロイエンタール提督、卿の言う事は分かる。しかし誰が俺を推薦するのだ。俺には心当たりが無いぞ」

確かにトサカ頭の言う通りだ。誰がこいつを推薦する?
「この場合、二通り可能性があるな」
「ケスラー提督……」

ケスラーは自分の考えを確かめるようにゆっくりと話した。
「一つはキルヒアイス少将に非好意的で卿に好意を持つものだ。卿に武勲を立てさせようというのだろう」

「もう一つは
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