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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
オスカー・フォン・ロイエンタールの誓い
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なことになりかねない。そうなれば彼らはミッターマイヤーを合法的に死刑にするだろう。

やはり俺が弁護をするべきだろうか、しかし弁護士でもない俺にミッターマイヤーの弁護が出来るだろうか。それに俺はむしろ証人としてミッターマイヤーの無実を法廷で述べるべきではないだろうか。

この件ではミューゼル大将も当てにはならない。軍事面では頼りになってもこの手の社会経験が必要とされる分野では未熟な若者でしかない。ミューゼル大将を頼ったのは間違いではなかったが、未だミッターマイヤーは死地を脱する事が出来ずに居る。

頼りになる味方が欲しい。ミューゼル大将、ミッターマイヤー、戦場では頼りになる男達だ。だが今の俺には、いや俺達には戦場以外でも頼りになる味方が必要だ。

そんな事を考えているとTV電話が鳴った。ミッターマイヤーか、それともミューゼル大将だろうか、そう思って表示された番号を見たが見覚えのない番号だった。疲れてもいたし無視しようかとも思ったが、思い直して出てみた。もしかすると弁護士からかもしれない。

TVに映ったのはオレンジ色のトサカ頭をした男だった。
「ロイエンタール少将か、久しぶりだ。ビッテンフェルトだ」
「うむ、久しぶりだ。何か用かな、ビッテンフェルト少将」

内心で俺はうんざりしていた。俺はこの騒々しいデリカシーの欠片も無いトサカ頭が嫌いなのだ。周囲は猪突猛進などと言っているが俺から見れば三歩歩けば忘れる鳥頭、トサカ頭にしか見えない。

もっともトサカ頭などと口に出した事はない、トサカ頭を怖いなどと思った事は無いが、好き好んでトラブルを引き寄せる事もない。しかし妙だ。何だって俺に電話してきた?俺がこいつを嫌いなようにこいつも俺を嫌いなはずだ。

トサカ頭が俺を嫌っている理由はこれまたくだらないものだった。士官学校時代に奴が好きだった女を俺が二ヶ月ほど付き合って捨てたことがそれだ。男の純情を踏みにじったとか言って騒いでいたが阿呆か、女なんてどれだって同じだ。だからお前は女に縁が無いのだ。

同期会でもやろうというのか? もしそうなら速攻で断ってやる! 俺は機嫌が悪いのだ。そう思ってつっけんどんに応対したが、トサカ頭は気にした様子も無い。だからデリカシーの無い男は嫌いなのだ。

「ロイエンタール少将、卿がミッターマイヤー少将の裁判で弁護士を探していると聞いたが、弁護士は見つかったのか?」
「いや、未だ見つかっていない」

だからどうした。こっちが困っているのを笑いにきたのか、トサカ頭。それともお前に弁護士の当てが有るとでも言うのか? そんなわけは無いな、いやトラブルばかり起しているお前の事だ、弁護士の一人や二人知り合いがいても可笑しくないか。

「そうか、実はミッターマイヤー少将の弁護を引き受けても良いという人
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