第3章:再会、繋がる絆
第86話「負の感情の世界」
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「....っ!!」
―――“扇技・護法障壁-真髄-”
内部に入った瞬間に、僕は御札を前方に投げ、障壁を張る。
次の瞬間、全員を保護するように張った障壁に黒い触手のようなモノが激突する。
「全員周辺警戒!!散らばるな!二人以上で固まれ!」
すぐに指示を出し、辺りを警戒する。
...まずいな。分かっていた事だけど、内部に入ったんだ。
「そりゃあ、元々拒絶したんだ。追い出そうとするよな...!」
プリエールでの戦い...それ以上の弾幕と触手が殺到する。
幸い、それでも障壁は破られそうにない。
「ふははははは!」
「っ、あのバカ...!」
だが、障壁で守られているのをいい事に、王牙が勝手に攻撃を仕掛ける。
確かに、生半可じゃない力が込められている武器群なら有効だけど...。
「質量が桁違いだ...!」
展開された武器群の全てが相殺される。
あっさり反撃されないように僕も武器を創造して手助けしたのに...だ。
「(先が見えない。まともに相手していたらこちらが先に力尽きるのは確実。なら...。)」
...ふと、そこで下の方にあるものに気づく。
「(...森?...いや、待て。この構図は...。)」
見た事のある光景だと、僕は思った。
当然だ。この光景は、確か...。
「プリエールの時と同じ...!」
そう。あの時、プリエールでの戦いと同じような構図になっているのだ。
なぜなのか、理由は知らないが、先程穿った“殻”の内側にこの世界を作ったのだろう。
「.....。」
「な、なんでこんな所に森が...。」
僕が地面に降り立つ。やはり、全員が戸惑っていた。
「(“殻”の内側がプリエールでの戦いを再現しているとなると...もう一つ、司さんが纏っている“負の感情”があるはず。)」
あの時無理矢理入り込んだ事を思い出す。
おそらく、以前よりもこじ開けるのは困難になっているだろう。
「優ちゃん、入ってきた穴は閉じたよ。」
「...まぁ、塞がるのは当然か。」
葵が閉じ込められた事を伝えてくる。...まぁ、予想済みだ。
...それよりも、先程から攻撃が止んでいるが...。
「....っ、まずい!!」
すぐさま神力で障壁を張る。しかし、物理的な障壁ではなく、概念的な障壁だ。
その瞬間、重力が強まるような感覚に見舞われる。
「(精神攻撃...!障壁を張っていなければ、呑み込まれていた....!)」
僕や葵はともかく、他の皆は危険だっただろう。
幸い、一過性のものだったようで、すぐに治まった。
「(短期決戦は必須。...うだうだ悩んでいる暇
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