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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第7話 市街地戦突入
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主戦場である放棄された都市から離れた森に改レセップス級陸上戦艦<リヴィングストン>は待機していた。

金属でできた小山の様なその巨体は、周囲のザフトの対空戦車や装甲車両、補給車両とは比べ物にならず、
隣にある崩れかけた木造の民家が子供のドールハウスに見えるほどであった。

上空に向けられた主砲は、古代の竜脚類の首の様に長く、艦体を覆う様に無数の対空火器を搭載したその姿は、針鼠さながらだった。

レセップス級陸上戦艦は、NJ下でも円滑に通信・指揮を行うための指揮車両として当初、設計された。
ベースとなったのは、火星開拓時に地表に設営されるであろう基地間の移動用として設計されていたランドクルーザーである。

そこに地上でのMSの突入支援用として、西暦時代の戦艦の主砲に匹敵する主砲の追加が設計案に加えられた。
これは、誘導兵器の信頼性が大幅に低下しているNJ下の戦場では、艦砲の重要性は更に高まると推測されていた為である。
さらに大部隊に指示を下す為の通信設備の増設も必要となった。

更に地上におけるモビルスーツの整備・補給基地としての機能も付与すべきという意見が加わった。

こうしてヘリウムを吸った風船のように大型化を余儀なくされ、当初は大型トレーラー程度だった車体は、
旧約聖書の巨獣ベヒモスやギリシャ神話の巨人族を想起させる巨体となったのである。

この改レセップス級は、砂漠地帯以外での活動用に作られた派生型で、レセップス級とは異なり、スケイルモーターではなく、大型ホバークラフトを移動手段にしているのが特徴であった。


「アイアンズ襲撃中隊、対空戦車部隊と交戦中!」
「ロジャース戦闘小隊補給完了!」
「ケイト中隊より通信、敵戦車部隊を撃破」
宇宙艦艇のものと同じ防弾強化ガラスで守られたブリッジ…そこでは指揮下の部隊との交信が絶え間なく行われていた。
中央の司令席には指揮官が腰掛け、その周囲の計器類にはオペレーター等の艦の運営に関わる人員が数十人近く着席していた。

現在、改レセップス級<リヴィングストン>司令席に座るのは、ウーアマン中隊を指揮下に置く
ファーデン戦闘大隊指揮官 エリク・ファーデン大隊長であった。

彼は、艦長や基地司令官、副官級等の人員が着用する黒い軍服を着用していた。

その傍らには、赤い軍服に身を包んだ少女が立っていた。
赤い軍服、通称ザフトレッドと呼ばれているそれは、ザフトの士官学校に相当する機関 アカデミーで、卒業席次10位までの成績優秀者に与えられるものであった。

特別に戦功を立てた人間にも着用を許すという改革案が一部で挙がっているが未だにそれは実現することなく、
人類初のコーディネイターの軍隊であるザフトにおけるエリートの証で
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