提督はBarにいる×神薙改式編・その2
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早速早霜がノンアルコールカクテルの製作に取り掛かっている。俺の方もナギーの注文に応える為に米を研ぎ始めた。分量は4合。1人分にはどう考えても多いが、他の連中からも注文が入るだろう事を見越しての準備だ。米2合に対して大さじ1の割合で、適量の水で溶かした顆粒コンソメを加えて炊く。炊飯器でもいいが、今回は土鍋炊き。
「どうぞ『サマー・ディライト』です」
早霜が1杯目を仕上げたらしい。氷入りのゴブレットをナギーに差し出してやると、間髪入れずに一口ゴクリ。
「うわ、美味しい……!ライムとザクロかな?凄くフルーティだけど爽やかですね」
ナギーの感想を聞いて、俺は思わずほぅ……と感心してしまった。確かにサマー・ディライトの味の要はライムジュースとザクロを使ったグレナデンシロップだ。あの一口でそれを感じ取るとは、中々鋭い味覚をしている。
《サマー・ディライトのレシピ》
・ライムジュース:30ml
・グレナデンシロップ:15ml
・シュガーシロップ:2tsp
・ソーダ:適量
ソーダ(炭酸水)以外の材料をシェイクし、氷の入ったゴブレットに注ぐ。そこにソーダ水を注いで隙間を満たし、軽くステア。仕上げにスライスしたライムを飾れば完成。爽やかな味で、正に”夏の喜び“を感じる一杯だ。浜辺なんかで飲むとなおさら美味い。
俺がナギーの注文にかかりきりになったのを見て、常連達は会話を楽しむ方向へスイッチしたらしい。当然ながら、会話の中心は部外者であるナギーだ。
「ナギーさん、と言ったか。普段はどういう作品を書いているのだ?」
先陣を切ったのは武蔵。物怖じしない性格ってのはこういう時には得だ。
「ナギーでいいですよ。そうですね……基本は旅から旅の根無し草なので、その体験を盛り込んでファンタジー物とかSF物とか、想像を膨らませて書いてますよ」
「旅から旅……かぁ、今のご時世だと大変じゃない?」
そう切り返すのは足柄。確かに深海棲艦が出現してからこっち、シーレーンはガタガタ、艦載機に襲われやしないかとヒヤヒヤ物で、海路も空路もほとんど壊滅状態に近い。シーレーンは艦娘の護衛つきで辛うじて動いてはいるし、航空機も敵艦載機が飛べない高度まで上がる事でどうにか安全を確保している。とはいっても最盛期の1割にも届くかどうか……という量だが。
「いやぁ、どの世界にも抜け道はある物ですよ。非合法ですけど、海運業者の船舶に相乗りさせて貰ったりしてどうにか渡り歩いてます」
そういう業者の存在は俺達海軍も把握していた。艦娘の護衛は高い。国防に使う戦力を割くのだからそれなりの金額を頂かないと割に合わんから当然といえば当然なのだが、そんな高い金を払えない場合、そういった海運業者の出番、となるらしい。
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