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第二章
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「どうにも」
「そこが問題です」
「ですから彼を好む者はです」
「いません」
「そうだな、どうにもだ」
 トルーマンはまた言った。
「私は彼をどうしても好きになれない」
「我々もです」
「こうした時だから使っていますが」
「作戦本部長兼合衆国艦隊司令長官として」
「兼任までさせていますが」
「しかし」 
 人間としての彼はとだ、あくまで言うのだった。
「好きになれません」
「あくまで能力だけです」
「そうした人物ですね」
「あそこまで極端な人間も珍しい」
 トルーマンは今度は吐き捨てる様に言った、眉をこれまで以上に顰めさせて。
「人間としてはという人物はな」
「能力はありますが」
「それだけですね」
 周りの者達も言う、ホワイトハウスにもこうした者は多く海軍長官のフォレスタルも彼を嫌っている程だった。
 ある日徹夜での会議が終わってだ、この日は休みとなったが。
 キングの姿が見えないのでだ、海軍の士官達は眉を顰めさせて話をした。
「また酒か」
「飲みに行ったか」
「徹夜で会議をしたのにか」
「また飲むのか」
「よく飲む」
「昔からそうだった」
 それこそ若い頃からというのだ。
「司令はああだったな」
「ああ、連日徹夜で訓練をしても飲みに行っていた」
「そしてとことんまで飲んでいた」
「よく身体が壊れないものだ」
「軍人は頑丈なものだが」
「酒は欠かさないか」
「それにギャンブルと女もな」
 この三つはだった、仕事が終わるとだ。
 キングは何処までものめり込んだ、とにかく歯止めが効かず。
 癖が極めて悪かった、それが為に。
 パーティーの場で彼の面長で皺の深い顔を見た淑女達は誰もがだった、顔を顰めさせて。
「行きましょう」
「ええ、あちらに」
「あの人がいない場所に」
「何を言われるかわからないし」
「触られたらたまったものではないわ」
 尻やそうした場所をというのだ。
「一緒にダンスとか絶対に嫌よ」
「あんな嫌な人はいないわ」
「すぐに手を出してきそうだし」
「悪い噂は尽きないから」
 そうした店で何をしたかというのだ。
「私達は娼婦ではないから」
「娼婦でも嫌よ、あんな人の相手は」
 こう口々に言ってキングの前を去るのだった。
 キングはパーティーに出ても一人だった、アメリカ海軍元帥の黒と金色のブレザーの軍服を着ていてもである。
 それでもだ、彼に声をかける者はいなかった。
 彼の辣腕は太平洋戦線でとりわけ効果を発揮しアメリカ軍の多大な物量と共にだった。日本を追い詰めていった。
 だがそれでもだ、トルーマンは言うのだった。
「戦争が終わればだ」
「はい、その時は」
「プレジデントにお話しましょう」
「彼は引き止めない」
「その様に
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