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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
11部分:第九話 小雪を救え
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『握手だよ、握手。友達の印』


……え?


『俺は天城悠里。君は?』

『また来ればいいよ。また来て、一緒に遊ぼうぜ?』


あの言葉を聞いたときは、本当に嬉しかった。見ず知らずの自分を認めて、友達と言ってくれた。


死ぬ

死ぬ?

嫌だ

嫌だ嫌だ

嫌だ嫌だ嫌だ!


まだ終わりたくない、まだ死にたくない!もっと話して、もっと遊んで、もっと知って、他のみんなと仲良くなって……まだやりたい事がたくさんある。
こんなところで終わりたくない!


「た、……け……う、」

助けて、悠里……


遠のく意識の中、最後に聞いたのは、扉が壊れる音だった。





悠里side

俺はモモと扉を蹴破ると、急いでリビングへ向かう。
タカの目を発動させた時に家の内部構造を把握した。迷いなくドアを開ける。
最初に目に入ったのは、女性がユキに馬乗りになり、首を締め上げている光景だった。


「やめろォォォ!!」


俺は女性を殴ると、ユキから離させる。離した後に女性を押さえつける。


「なにやってんだよ!?アンタは!!」


ユキの母親を見ると、母親は焦点の定まらない目をしていた。


「悠里、大変だ!」

「なんだよ!?」

「ユキの……息が、ない……!」

「……っ!?」


モモの言った言葉に俺の思考が一瞬停止したが、すぐにフルで活動させる。


「大和!すぐに救急車と警察に連絡しろ!キャップとガクトとモロはコイツ押さえてろ!」


俺は母親から離れると、ユキに近づく。胸の真ん中に手の付け根を添え、両手を重ねて強く押す。


「死ぬなユキ!戻ってこい!!」


一定の回数を押すと、口を開き人工呼吸で酸素を送る。それが終わると、心臓マッサージを繰り返す。


「まだ友達になったばっかりだろ!?また遊ぶって約束しただろ!?こんな所で終わるんじゃねぇよ!!」

「ユキ!私と今度は遊ぶ約束だったろ!約束をやぶるなんて許さないぞ!」

「まだアタシとの勝負もついてないんだからね!ここで逃げるなんてズルいわよ!」

「私もユキと話すことたくさんある……!だから、戻ってきて、ユキ!」


みんなが思い思いの言葉をユキに向けていく。俺は心肺蘇生を必死に続けるそして、


「……ん」


ピクッ、と指が動いた。そして俺達はユキの顔を見る。


「ユキ!俺がわかるか!?」

「う……悠里……?」


ユキは目を開くと怠そうに口を開いた。蘇生は成功したようだ。


「よかった……一時はどうなるかと……」

「あれ……?なんで…みんなが家にいるの……?」
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