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魔界転生(幕末編)
第81話 西南戦争 勃発

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 大山と天草の策がまんまとはまった。
 政府の西郷暗殺計画と武器庫奪取の情報は、あっという間に鹿児島全土に広がり、血の気が多い私学校の生徒達は、新政府打つべしといきり立った。が、西郷は静観していた。
 が、しかし、暴走した怒りの炎は、一気に燃え広がり、私学校の生徒たちは、鹿児島市宋牟田にある陸軍の火薬庫を襲撃した。それを発端に戦火は見る見るうちに広がりをみせ、鹿児島全土を覆い尽くす大乱となってしまった。
 これにより、西郷は動かざるを得なくなった。
 その時、西郷はこう言ったという。
「しもった、なんちゅうことを」と。
 西郷はこの大乱を自分の責として、政府と戦う事を決めた。
 これにより、九州全土を巻き込む戦争が起こった。
 後に西南戦争といわれるものだった。

 西郷が動いた事により天草も自身の計画の最終段階へと移った。
「さぁ、始めよう。我らが怨念で日本全土を焼き尽くそう」
 天草は天守閣の位置に立ち、声高らかに叫び逆十字を切ると呪文を唱え始めた。すると、原城跡に大きな魔方陣が浮かびあがり、地響きが巻き起こった。
「もっと、悲しみを。もっと、苦しみを。もっと、憎しみを」
 空が暗くなり、雷鳴が轟いた。
「我らが怨念で、天よ裂けよ。大地は割れろ。復活の時だ」
 天草の叫び声に呼応するかのように大地が盛り上がり始めた。それと同時に盛りあった土が天草を覆うと、まるで天守閣の形になっていった。
 その土の中に混じっているのは人間の人骨。かつて、島原の乱で徳川軍に敗れ、そのまま供養もなく埋められた隠れキリシタン達のものだった。
 徐々に徐々に城の形になっていった。その姿は昔の原城ではなく、まるで、血肉が混じった土の色をした禍々しい物にみえた。
 それと同時に、地面からは死人たちが、わさわさと湧き出てきた。
 その地獄のような光景を見つめ、天草はにやりと微笑んだ。そして、沖田に斬られた指以外全てを雷鳴轟く空に放り投げた。
「さぁ、再度蘇れ。魔界集達よ。蘇り、我の元へ集え!!」
 そう天草が天に向かい叫ぶと、稲妻がその指々に落ちた。
 すると、その指は人の形を作り上げ行ったのだった。

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