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オズのビリーナ
第十二幕その六
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「オズの国のお花だから」
「一年中咲くわよね」
「そう、咲いたらね」 
 その時はというのです。
「枯れることなくね」
「じゃあ」
「咲いてからか咲く瞬間にね」
「戻って来ればいいわね」
「そうよ」
 まさにと言うのでした。
「そのタイミングはわかってね」
「わかったわ、まあ行って戻ってだから」
「相当急がないとね」
「早過ぎたってことはないわね」
「そうね」
 こう二人でお話するのでした。
「それじゃあね」
「急ぎ過ぎないで」
「やっていきましょう」 
 こう二人でお話するのでした、そして。
 一旦ビリーナとお別れしてです、そのうえで。
 トロット達はエメラルドの都に向かうのでした、ナターシャは鶏の国を出てそうして黄色い煉瓦の道を歩きつつ言いました。
「さて、ゆっくり行けばいいけれど」
「ええ、都には今誰がいるかしら」
 恵梨香はナターシャに応えました。
「それが問題ね」
「ちょっと携帯で聞いてみる?」
 神宝はこう提案しました。
「ドロシーさんに聞いてね」
「あっ、それいいね」
 ジョージは神宝のその提案に賛成しました。
「そうしたらすぐにわかるね」
「そうだね、今すぐドロシーさんに連絡して」
 カルロスも言います。
「都に誰がいるのか聞こう」
「じゃあすぐに聞くわね」
 トロットはすぐにでした、五人の言葉を受けてです。
 携帯を出してドロシーに聞きました。
「今都に誰がいるの?」
「事情はわかってるわ」
 携帯の向こうからです、ドロシーはトロットに返しました。
「虹色の菫のことね」
「あっ、わかってるの」
「オズマと一緒にいつも鏡でどうなってるか見守っていたから」 
 オズの国のあらゆる場所、観たい場所を観ることが出来る鏡で、です。
「観たわ」
「そうなの」
「ええ、だから事情はわかってるわ」
「それならお話が早いわね」
「都にいてそちらに行けるのは誰か」
「そう、誰なの?」
 トロットはドロシーにあらためて尋ねました。
「今そっちにいるのは」
「私とオズマ、トトにね」
 トトもいるとのことです。
「それとかかしさんと木樵さんがいるわ」
「お二人もおられるのね」
「ジャックとつぎはぎ娘、モジャボロさんもいるわ」
「それとジュリアね」
「そう、臆病ライオンと腹ペコタイガー、木挽の馬、あとハンクはベッツイと一緒に冒険に行ってるわ」
 彼等はそうしているというのです。
「だからね」
「今はいないのね」
「ギリキンに行ってるわ」
「じゃあベッツイには機会をあらためて行ってもらうことになるわね」
「魔法使いさんはボームさんと一緒にカドリングに行ったわ」
「そうなの」
「そう、グリンダのところに行ったわ」
 お二人はそうしたという
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