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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
我愛羅
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存在の為だけに戦え!!」

 その言葉に、ナルトは体内で感情がふつふつと沸騰するのが感じた。波の国、サスケが死んだかのように思えたあの刹那に覚えた怒りとはまた別種の怒りだ。自分の仲間を、仲間との絆を否定されたと、そう感じた。

「くだらねえ……仲間だと?」
 
 確かにサスケはすました野郎でさ、いつもかっこつけててさ、たまにバカにした態度とるけどさ。
 確かにサクラちゃんは偶にちょっとひどいこというしさ、きっつい態度とるけどさ。
 でもさ。
 サスケは波の国じゃ命張って俺のこと守ってくれたし、試験の時は俺のこと認めてくれて、俺と戦いたいって、言ってくれた。
 サクラちゃんは試合の時応援してくれたし、死の森じゃ俺とサスケを必死で守ったって、試験が終わった後にはじめから聞いた。
 二人とも、大切な仲間なんだ。大切で大切で、誰にもとってかわれない、なかま。一緒に笑って、偶に一緒に馬鹿やって、くだらないことで張り合ったり、殴られたり、殴ったり、取っ組み合ったり、危険な任務や試験の中にも一緒に挑んでいったり、
 ――――そんな大切な仲間を、『くだらない』?

 怒りに沸騰するナルトの内面を知ってか知らずしてか、我愛羅は更に続ける。

「戦いにくだらぬ感情を持ち込む奴など死ねばいい」
「てめえ、さっきから聞いていりゃあ……っ!」

 声が僅かに痞えた。爆発しそうになった感情にナルトの青い瞳は燃え上がる。

「ぜってーぶっ飛ばしてやるッッ!!」

 クナイを構えて飛び上がる。まだ何かごちゃごちゃ言っている我愛羅に、「うるせぇえええええ!!」と絶叫する。空中からクナイを構えて急降下してくるナルトを振り払おうとする我愛羅の脳裏に、不意に浮かび上がる、クナイを構えたサクラの姿と、夜叉丸の姿。
 夜叉丸。

「ぐあっ……!」

 我愛羅の尾がナルトを勢いよく跳ね飛ばし、また頭を抱えて苦しみだした。
 夜叉丸を殺して間もない我愛羅が頭を抱えて泣いていたのと同じしぐさで。

 +

 我愛羅は蹲り、身を震わせながら泣き声をあげていた。夜叉丸はまだ微かに息をしていた。信じられない気持ちで一杯の心とは裏腹に、頭はもうその事実を受け入れていた。
 なんでなの? 辛うじて出した声に夜叉丸はこちらを向く。写真でしか見たことのない母親によく似た顔の彼に、涙で濁った声で我愛羅は問いかける。
 ――なんでやしゃまるが……、っ、どうして……?――
 どうしてぇ? 涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにした我愛羅が肩を震わせ問いかける。あんなに優しくしてくれた。いつもいつも優しくしてくれた。暖かくて優しくて。大好きで大好きで仕方ない人だった。唯一の味方だと思い込んでいた。
 微かな声が夜叉丸の口から零れた。え? と問い直す。夜叉丸は消え入り
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