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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十九話 アイデンティティ
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「うわぁ……!」
「これは……!」
二人は目の前の神秘的な光景に目を見張った。
小さな百合に似た花がまるで映画を早送りで見るかのようにみるみるうちに開花し、しゃらん、という鈴の音をたてた。朝露が飛び散り、太陽光を湛えたしずくがまるで宝石のような輝きを放つ。
シリカはおそるおそる手を伸ばし、その花を根本の茎から折り取った。システムウィンドウが開き、アイテムの詳細が表示される。


【Item get!】
《プネウマの花》
任意の心アイテムに花弁内部の雫を振りかけることで、使い魔のHPをフル回復した状態で呼び戻します。



「これで……ピナが生き返るんですね……!」
「ああ、そうだよ。どうする?ここでピナを呼び戻す?帰るまで我慢する?」
「うーん……ここに来るまでずっとマルバさんに手伝ってもらっちゃいましたから、帰りはせっかくですしピナと二人で頑張ってみたいです。」
「あー、そう?それなら、ここで呼び戻そうか。目印はないけど一応安全圏みたいだから、安心してできるしね。」

シリカはストレージから《ピナの心》をオブジェクト化し、《プネウマの花》が咲いた場所に横たえる。祈るように花の中の露を垂らすと……拡散した雫の煌めきが小竜の形を取り……次第にその姿が濃く、はっきりとしてきて……そのまぶたが、ゆっくりと開かれた。



シリカがピナと抱き合って再開を喜んでいる姿を微笑ましく見守っていたマルバは、この瞬間を残そうと記録結晶を取り出した。素早くスクリーンショットを撮る。後でシリカとピナに見せてやろうと思ったその時、視界の隅に緑色のメッセージ受信アイコンが明滅した。
差出人はアルゴ。昨日依頼した、プネウマの花に関する詳細の追加情報である。それを慣れ親しんだ動作で開いたマルバは、中に書かれていた文句を見て目を見張った。

「マルバさん?」
シリカに呼びかけられ、ハッとするマルバ。シリカの肩のあたりに水色の小竜が羽ばたいている。両者とも心底嬉しそうな様子だ。
「ああ、ごめん。ちょっとぼうっとしてた。ピナ、初めまして。僕はマルバ、この子はユキだよ。よろしくね。」
ピナは一声鳴くとマルバの肩に飛び乗って頭を擦り寄せてきた。マルバの腕の中からユキが顔を出し、ピナを見つめて小さく鳴く。

「珍しいですね、ピナがこんなに懐くなんて。きっとマルバさんが助けてくれたんだって知ってるんですよ。」
「僕は君の手助けをしただけだよ。ピナを呼び戻したのは君だ。」
「わたしだけじゃダメでしたから。マルバさんのおかげです。ありがとうございました、本当に。」
「あはは、感謝されるのって慣れてないから照れるね。……それはそうと、シリカ、ちょっとまずいことになっているかもしれない。」

急に真剣な顔になったマルバに、シリカはきょとんと
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