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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜奪われる未来〜
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炎のように赤く染まる空。



その空に、やっと蒔風が天井を破って地上まで出てこれた。

現在、地上本部は獅子天麟の結界で守られているとはいえ、かなり危ない状況であることは変わりない。また、構造も非常に脆くなっている。



だから



「やっと出れた!!くっそ、時間食った」




だから蒔風は何層も天井をぶち破って出てこれなかったのだ。
破ったのは地下一階から地上の一層のみ。


しかし、もはやなにも気にすることはい。
後はただライトニングの三人が向かった機動六課隊舎に向かって行くだけだ。



フェイトと別れてからすでに十分は経過している。


もし、相手側にあの高速移動を可能とするトーレがいたらかなりまずい。






「ブッ飛ばすぜぇ!!!加速開翼(ブーストオン)!!最高出力!!!!」





パァン!!!!



空気の壁をいきなり破って、蒔風が地上本部上空から一直線に隊舎の方へと向かう。


その瞬間





ドォン!!!!!





動き始めて一秒と経たないうちに、蒔風に砲撃が命中する。

放ったのはビルの屋上にいるディエチ。
直接対峙した自分とトーレ、クアットロの経験値の重ね掛け、更には力による一種の揺らぎから、蒔風の向かう先を想定し、砲撃を放ったのだ。




対して蒔風は移動中、しかもこれからという瞬間だった。
爆煙が大きく上がり、その姿が撃ち消える。





「目標には命中。クアットロ、チンク達とは連絡は着かないのか?」



ビルの上でディエチがクアットロに確認を取る。
彼女もこれだけ大きな戦いだと、少しばかりは姉妹の事が心配になるのだろう。

やられるとは思っていない。
しかし、こうも連絡がつかないと不安にもなるものだ。


だが、通信先のクアットロは、そんなこといちいち知らないと言わんばかりにどーでもいいような声だった。




『さぁ?ま、やるべきことはもう終わっちゃってるし?ぶっちゃけもういらないというかなんというか・・・・・』

「クアットロ」

『あ〜〜らあらあら。ごめんなさいね。そうよね、心配ねぇ?これが終わったあともまだまだやるべき事があるのにぃ』



クアットロのあまりの言いように、ディエチがたしなめる様に名前を呼び、クアットロがわかりましたよ、といった風な口調で弁解する。


「とりあえず私はこのまま翼人の動きを止める。クアットロは・・・・・」


チンク達の方を頼む、というディエチの言葉は続かなかった。



彼女の目が、ある二つのものを捉えたからだ。



カカン
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