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IS《インフィニット・ストラトス》〜鉄と血と華と〜
第六話 バルバトス
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イスをそのまま左に薙ぐ。


「単調でしてよ!」


後方に飛ぶ事でメイスはかわされ、空振りに終わる……と思ったのもつかの間、薙いだ時の遠心力を生かし三日月はその場で回りセシリアを正面に捉えた瞬間


「当たれ」


何とメイスを勢い良く投擲する。


「きゃぁ!」


メイスはそのままブルーティアーズの非固定ユニットに直撃し、彼女はよろけすぐ三日月に視線を戻そうとするが


「居ない……!!」


センサーが反応を示したのは自分よりも上の位置。セシリアに当たり、上空へと弾かれたメイスを三日月はキャッチ。


「よっ」


下方にいるセシリアにメイスを振り下ろすが寸前の所で避けられ思わず舌を打つ。





「すごいですね、オーガス君。候補生にあそこまで戦えるなんて」

「ああ……」


彼の戦いをみて、彼女は違うことを考えていた。

三日月は“戦い慣れしすぎている”

千冬が真っ先に思ったのがこれだ。三日月は自身のIS、バルバトスの性能を良く理解している。スラスターの加速度、運動性能、武装の扱い方。どれも昨日やそこらで会得できるものではない。

それに初撃のレーザーの回避、普通であれば何発かレーザーの軌道を見ることで、回避等を行うもの。しかし三日月は“さも当然のように”最初のレーザーを回避した。


「(三夏があの手の武装に耐性があるのか、それとも……)」


阿頼耶識の為せる技か。

阿頼耶識とは本来、ナノマシンによる身体能力の向上を目的とした人間兵器を製造する計画のためのシステムであり、それがIS発表と同時に男女問わずにIS適正を得られる為の、ナノマシンを介して操縦者の脳神経と機体のコンピュータを直結させることで、脳内に空間認識を司る器官を疑似的に形成する為のものに変更された。あの反応は阿頼耶識によるものであろうと推測する。


「さて、此処までは良い流れだ。だが、ここからどうだろうな」


モニターの向こう、いよいよ余裕が見られなくなったセシリアの表情みてそう呟く千冬。





「もう!何なのですか!貴方は!」


こんな筈ではなかった、自分の脳内で行われたシュミレートであれば既に決着はつき、華々しい勝利を手にしていた。

しかし現実はどうだ?対戦相手の三日月は自分の攻撃を悉くかわし、更に一撃を加えてきた。悠長にやっている暇はない、此処は一気に決めるのが得策。そう踏んだセシリアは


「お行きなさい!!」


その言葉と同時に四つのユニットがブルーティアーズから切り離される。それはまるで意思をもったように宙を飛び、三日月の周囲に展開され


「もう手加減はしませんわ……!」


四方
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