暁 〜小説投稿サイト〜
IS《インフィニット・ストラトス》〜鉄と血と華と〜
第三話 忌むべきシステム
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
何気無く部屋から出た三日月だが、購買の場所等わかる筈がない。どうしたものかと悩んだ矢先


「ねぇ」

「はい?」


たまたま視界に入ったのは長い金髪にロールのかかった生徒だ。呼び止め振り向くと彼女は三日月を見て目元をひくっと動かし


「な、何故男が此処に!?」

「何処か菓子売ってるところ知らない?」


金髪の少女、『セシリア・オルコット』を無視しそう質問する三日月だが


「その前に私の質問に答えなさい!何故男が此処に居るのですか!?それにその制服!」


勢いよく指を指したのは三日月の制服だ。何処か可笑しいのだろうかと彼は首を傾げる。それから捲し立てるようにセシリアの言葉が続いたが、三日月は面倒くさくなりつつ


「……もういいよ、自分で探すから」

「ちょっ!まだ話は終わって――」


彼女を無視して歩き去っていく三日月であった。


「一体何なのですか!やはり男というのは――」







「阿頼耶識……だと……?」


千冬は知っている、その名称を……そしてその名称のなす意味を。


『ちーちゃんも知ってるよね、阿頼耶識システムの事は』

「……ああ。IS適正を持たせるために開発された……成長期の子供にしか施術できず、脊髄に直接特殊な金属端子を取り付ける……悪魔のようなシステムだ」

『流石の束さんも、あのシステムに関しては嫌悪感を覚えたよ』

「何れだけの子供達が犠牲になったか……既にシステムは凍結された筈、だが三夏に阿頼耶識が……」

『そうそう、びっくりだよね。しかもミーくん三回も施術されてたみたいだし』

「!?」


阿頼耶識は脊髄に埋め込まれる端子『ピアス』の数によってISの適正が変化する仕組みであるが、一度に受ける施術で身体と精神に掛かる負担は半端な物ではない。失敗すれば運が良くても再起不能、悪ければ死ぬ。そんな手術を三度も。とても千冬には想像もつかない、三夏は一体どれだけの苦痛を受けたのかと。


「……束、何故三夏を学園《ここ》へ寄越した」

『それはねーミーくんにはやってもらいたい事があるからだよ』

「やってもらいたいこと?……それは――」


何だ、そう言い切る前束が言葉を被せる。


『こればかりはちーちゃんには内緒♪それじゃそろそろ切るねーミーくんの事よろしく!』


ブツンと通話を切られ、胸にもやもやとした感覚が残ったままになった千冬。彼女は今後の事を考え始めるのであった。



「三夏……」


脳裏に過るのは自分の弟……しかし、いまの彼は三夏としてではなく“三日月・オーガス”として此処に居る。本当の事を言うべきか、お前は私の弟だと。しかしそ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ