暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
学園生活-スクールライフ-
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憎しみが災いを呼ぶ。アニエスに対して自分はそう言った。
その言葉通りなら、自分の周りの不幸や災いも、才を持ちながら結果を残せなかった、不甲斐ない自分に対しての憎しみを抱いていたかもしれない。
コルベールと自分は、よく似ている気がした。
かつての自分が抱いたような、誰かのための夢。それはアニエスがこの場の刃を収めたことをきっかけに、この先の未来も続くだろう。自分がとやかく言えないとわかっていても、それを潰されたくなかったし、どことなく恩人の一人である副隊長と似たあの女が復讐に逸るばかりになるのを避けたくなった。だからアニエスを説得したのだ。
だが、自分は…
ザ・ワンを仕留める武器を結局作れず、TLTでより強力な兵器を開発してもそれが仇となった。ビーストにそれらを奪われ罪もない人たちを死なせ、さらには自分をずっと支えてきた少女さえも死なせ…。
ウルトラマンの力を得て異世界に来ても同じだった。村の皆を危険に追いやり、…そして、ついにはこの魔法学院にまで、闇の巨人の蛮行を許した。コルベールは、元は自分がメンヌヴィルと決着をつけなくてはならないと言ったが、シュウにとってそんなことは問題ではなかった。
アスカは終わったなんて言うなと言ってくれた。けど、アスカもまた自分のために…

…結局、自分がそうなっているとしか思えない。
自分が恐れていたこと…自分が『平和を脅かす存在』になっている、としか思えなくなっていた。
現に、奴との…メンヌヴィル=メフィストとの戦いで、奴の手でリシュとアニエスが攻撃されかけたときの自分の感情に呼応して、呼び覚まされそうになった。
『恐ろしい何か』が…俺の中にいる。
今回より以前にも、思えば『それ』は目覚めようとしていた。
最初は、ウエストウッド村を襲撃されたときだ。二度目は、アルビオン脱出時にてメンヌヴィルとの二度目の戦いを繰り広げたとき。そのときは、奴が幻影の愛梨を粉々にしたのを目の当たりにして、より鮮明に現れた。
そして今回は3度…いや、もはや回数なんてどうでもいい……『そうなること』自体が許されるべきことではないのだから。
この先も自分は、戦わなければならない。あの内戦地で散っていった人達や、愛梨たちを死なせた報いを、戦いを通してその身に受けなければならない。
けど、戦って行くうちに…自分が自分でなくなったら?償いの姿勢さえも消えて、ただ戦いの中で血を求める修羅となったら?メンヌヴィルの言うとおりの…血に植えた存在
そうなってしまったら、まさに元も子もない。償うつもりが、また多くの罪を重ねることとなる。もし次にまた、同じようなことが起こったら…。

俺はどうしたらいいんだ…

どうすれば、こんなことにならずに済んだ…?

俺は…結局なんのために、戦っているんだ?

誰か…教えてくれ……
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