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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第76話:無礼講は急に行えない
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だね……事前に上客たる候が来店する事を知ってたし」

「流石レクルトは話が早い。俺が見た景色は、着飾った女共がウジャウジャ集ってくるモノだったけど、リュカさんは2.30分もの間、むさい男共だけで飲んでたんだと思うね。どうよ、そんな店に行きたいか?」

「結論から言うと絶対に行きたくないですね。楽しくなくても金は取られる訳ですし……」
「そんな事言われたって、陛下が居るって知らなかったんだし仕方ないじゃない!」
「その言い訳は一番ダメな奴ですよエウカリスさん」
「ダ、ダメ!?」

「陛下は変装してた訳ですし、その存在に気が付かなくても問題ないし、陛下は怒ったりしないのです。問題なのはあからさまな選客態度です」
「せ、選客態度?」

「本来であれば、お店に来店した時点で誰もがお客様です。お会計の時に『お金持ってません』とか言われるまでは、お客様を持て成す態度で対応しなきゃダメでしょう。でも陛下の周りには注文をとる男性スタッフ以外、誰も近付かなかったみたいじゃないですか?」

「だから、私達も陛下が居るとは知らなかったんだから……」
「はい、それ! その『知らなかった』を言い訳にしてるトコ! 陛下が変装してる意味を考えて。王様の姿じゃ誰もが良くしてくれる……だから平民の格好をして、一般人と同等の扱いをして貰おうと陛下は考えてるんです」

「そうだな……レクルトの言う通り。一般人と同等の扱いを期待して入った店が、金持ちと貧乏人を差別する店だった時、リュカさんの心境は穏やかなモノじゃ無かったと思うよ」
「だからそれは……」

「うん。解ってる……陛下だとは思わなかったって言うんだろ? でも相手の地位や役職によって態度を変えるって、悪辣な差別主義者じゃない? 相手が奴隷だったら、話しかける事もせず鞭打ちでもしてやろうってことでしょ!」
「別にそんな事は考えてないわよ……」

「お前等が何を考えるかは問題じゃない。今回の問題点はリュカさんがあの時に何を感じたかになる! 金の無さそうな一般人が来店しても2.30分相手にされず、後から来た侯爵を見るなり女共は其奴に群がっていった。しかも侯爵の連れの身分が解るにつれて、女共の態度も二転三転する始末……誰もリュカさん等に興味を示さないから、俺は必要以上に悪態を吐いて嫌われ役を演じたんだぞ!」

「悪態を吐くって……ウルフ君、それを演じる必要がある? 普段通りだと思うんだけど」
「うるさいなレクルト! 兎も角、あの店は誰に対しても平等じゃないと思ったリュカさんは、その鬱憤を色んな人達に言い触らしてるんだよ」

「だ、だからってそんな悪評を放置しないでよ! アンタ宰相閣下でしょ……何とか陛下に取り成してよ」
「確かにちょっと可哀想な気がしますね。誰だってお金持ちの上客を得たいと
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