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堕ちた政治家
第四章
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「女性問題も気になりますし」
「そういえばあったね」
「はい、二度離婚していてです」
「愛人もいたね」
「認知や慰謝料の話もあります」
「では、だね」
「当選はしますが」
 それでもというのだ。
「後々何があるかわかりません」
「では重用はしないで」
「適当に扱うべきです、むしろ」
「我が党に何かあれば」
「出かねません」
 幹部はそうも見ていた。
「我が党を見限って」
「そうしかねないからだね」
「彼は信用しないでおきましょう」
「よし、では一議員として」
「扱いましょう」
 幹部は選挙前に既に首相に鱒弐について話していた、だが鱒弐はこのやり取りを知らず選挙に出てだった。
 見事当選した、学者から政治家への華麗な転身であり早速意気込んでテレビで色々と言った。そうしてだった。
 二期三期四期と当選を続けていった、だが。
 その間与党は選挙に敗れ野党に転落した、この時にだった。
 鱒弐は選挙の直後にだ、テレビでこんなことを言った。
「今回の敗北は与党にあります」
「と、いいますと」
「与党が腐敗していたからです、腐敗した与党ではです」
 どうなるかとだ、強い声で言うのだった。
「もうどうしようもありません、だから私は出ます」
「出るといいますと」
「離党してです」
 テレビ、公の場で宣言した。
「新党を立ち上げます」
「そうされますか」
「そして改めて国政改革を目指します、国民の皆さんの為に」
 こう言って実際に離党して新党を立ち上げた、だが。 
 鱒弐を議員になる様に言った幹部は当時首相だった今は党の最高顧問にだ、こう言ったのだった。
「予想通りです」
「確かに君の言った通りだね」
「彼はそうした人間でした」
「そうだね」
「はい、ですから」
「これでいいかも知れないね」
「我々は彼に構わずです」
 幹部が言うことはというと。
「政権奪還を目指しましょう」
「そうするべきだね」
「今の与党はです」
 その彼等についてだ、幹部はこう言った。
「絵空事ばかり言っています」
「それではだね」
「はい、やがて自滅します」
「内政も外交も軍事も言っていることが滅茶苦茶だしね」
「例えますと」
「何になるかな」
「鈴木啓示監督の近鉄バファローズでしょうか」
 今の与党はそれだとだ、幹部は顧問に話した。
「それが一番近いでしょうか」
「少しマニアックでないかな」
「そうでしょうか」
「私はわかるがね」
 顧問は少し笑って幹部に返した。
「それまでの監督達が築いた近鉄を最下位にさせたね」
「はい、何もかもをぶち壊して」
「それがあの政権だね」
「ですからすぐにでもです」
「彼等が自滅を重ねて」
「政権交代となります、我々は現実を見てです」

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