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計画的恋愛
第四章

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「やってやるわ」
「そうなのね」
「そう、そこまで調べたから」
「それでポーカーのルールも覚えて」
「マジックのことも勉強してるの」
 建の趣味のことも徹底的に調べているというのだ。
「こうしてね」
「徹底的にやって」
「彼の心を掴むわ」
 本当にそうするつもりでだ、伶音は建のことを調べ彼の趣味のことも勉強していた。勿論よく行く場所も好みもチェックしていた。
 そしてだ、この日は。
 建の行きつけの本屋に行った、そこでまた偶然を装って彼の隣にさりげなくいた。すると建は彼女に気付いて声をかけた。
「あっ、また」
「はい、一緒になりましたね」
「最近本当に縁があるね」
「そうですよね」
「居酒屋でも一緒になって」
「この本屋でも」
「何かと一緒で」
 それでというのだ。
「縁だね」
「そうですね」
「実は最近小説読んでいて」
「どんな小説ですか?」
 彼の小説の好みも同僚からこっそり聞いていたがそれを隠して問うた。
「それで」
「うん、海外のね」
「外国のですか」
「最近ムアコックに凝ってるんだ」
「永遠の戦士シリーズですね」
 調べたことを隠してだ、伶音は応えた。
「エレコーゼやホークムーンの」
「あっ、よく知ってるね」
「そうですか?」
「いや、このシリーズはね」
「法と混沌の二つの勢力の」
「そう、それでね」
 二人で話した、彼の好きな小説について。
 ここからさらに仲がよくなった、そしてだった。
 二人の仲は進展していき三ヶ月経った時にはだった。伶音は満面の笑みで静香に話した。
「この前彼の家に呼ばれたの」
「それで行ったの」
「ええ、それでお料理振舞ったわ」
「あんたの得意技が炸裂ね」
「彼とても美味しいって言ってくれたわ」
「よかったじゃない」
 二人は今は帰宅中だ、同じ駅に向かいながら夜の道で話している。二人共ズボンでラフな私服姿である。
「じゃあ後は」
「ええ、これからもね」
「計画的になのね」
「進めていくわ」
 物事をというのだ。
「お料理だってこの時に備えて勉強していたから」
「彼の好みを」
「そう、彼はお魚が好きでね」
「お魚料理作ったの」
「それとロールキャベツも好きで」
 彼がいる部署の人にさりげなく聞いたのだ、実は彼の同期や先輩や上司、後輩や付き合いのある人からいつもさりげなく聞いていて調べているのだ。
「それも作ったの」
「お魚料理は」
「彼が特に好きな鮭をね」 
 この魚をというのだ。
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