暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
嗚呼、懐かしの烏賊尽くし・その3
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 さて、グラーフにイカ料理を振る舞うのはいいがどうしたものか。恐らくそのままの姿で出しても、潜在意識的な物で食べようという気にならないだろう。ならば、形を残さずに出してやるか。


《イカのお好み焼き風フライ》

・真イカ:1杯

・はんぺん:1/2枚

・紅しょうが:適量

・キャベツ:1/4玉

・塩:小さじ2

・胡椒:少々

・玉ねぎ:1個

・小麦粉、卵:適量

・酒:適量

・パン粉:適量

※その他、味付け用にウスターソース、マヨネーズ、青のり、花鰹等は適量

 まずはタネ作りから。イカの足と内蔵を胴から外し、中の透明な骨を抜き取る。

「アトミラール、イカというのは骨の無い軟体動物ではないのか?」

「あぁ、これか?これはイカの貝だった頃の名残でな。正確には『貝殻』なんだよコイツは」

「なんと!イカというのは貝の仲間だったのか、似ても似つかない姿なので知らなかった……」

「大元はオウム貝が祖先らしいけどな。詳しくは知らん」

 骨を取り除いたら胴とエンペラはぶつ切りにしてフードプロセッサーに入れてミンチに。イカってのは熱を加えると皮の辺りから強い旨味(と強烈な紫の色素)が出るからな。味を強くするなら皮は外さない方が美味いぞ。ゲソは食感を残す為に粗微塵切りにして、キャベツ、紅しょうが、玉ねぎも微塵切りにしておく。

 イカの胴体がミンチになったら、はんぺんを加えて更にフードプロセッサーで練る。はんぺんは白身魚の練り物だからな、イカとの相性も良いし優秀なつなぎになる。はんぺんとイカミンチがよく混ざったら、ボウルに移す。この時にかなり粘りが出てるからな、頑張って綺麗に移そう。そこに刻んだ野菜とゲソ、塩、胡椒を加えて手で捏ねる。

「司令、アタイにやらせてくれよ!」

 皿洗いを終えて手持ち無沙汰だった朝霜の立候補。手伝いなら大歓迎だ。

「なら頼む。ムラが出ないようにしっかりと捏ねてくれ」

「あいよっ!」

 威勢のいい返事だ。俺はその間に小麦粉、卵、臭み消しの酒を加えてバッター液を作り、パン粉も支度して揚げ油を温め始める。紅しょうがと酒で十分だとは思うが、臭みが気になるようならおろししょうがを適量加えてくれ。

「司令、練り上がったぜ!」

「どれどれ。……うん、上々だ。中々手際が良いなぁ朝霜」

「朝霜姉さんはお店をやるのが夢なんですよ…フフ」

「ちょっ、バカ!恥ずかしいから言うなって言ったろ!?」

「ちょうど良いじゃねぇか、朝霜と早霜で共同の店を出したら面白いと思うぞ?」

 なんて会話を交わしていたら、揚げ油から湯気が立ち上ぼり始めた。……いかんいかん、揚げ物のキモは揚げる温度だからな、一旦弱火にして、朝霜が捏
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ