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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
第5話 立ち上がる三代目ヒーロー
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、心にゆとりが生まれたのだろうか。

「簡単さ。自分にできることは、なにがなんでもやり切る! でもって、後のことは仲間に全部任す! 『自分じゃできないこと』をやってもらうだけなんだから、大して気負いもしないだろ?」

 大路郎先輩の言葉が頭を過ぎる。

 俺は――俺は、ヒーローとして自分にできることを、必ずやり遂げる。だから、警察への対応、事後処理は全て……絵麗乃達に任せる!

 本当のヒーローになれさえすれば――俺は一人じゃなくたっていいんだ!

 一旦距離を取り、たじろぐ男達をキッと睨みつける。お遊びはおしまい、ということだ。

 ――そして、右腕に装着した変身ブレスレットをあらわにする!

「セイントッ……! カイダァアァアッ!」

 夢を叶えたい、ヒーローになりたい。他のことは考えない!
 その一心で、俺はブレスレットのスイッチを殴るように勢いよく入力した!

 刹那、俺の全身は瞬く間に純白の戦闘服に包まれ、顔を覆うマスクのゴーグル部分が、日の光りを浴びて輝く。

 俺が追い求めてきたヒーロー像。そのスタート地点こそ、今なんだ。

「生徒の手により裁くべきは、世に蔓延る無限の悪意!」

 腕を大きく振り、一定のポーズを決めてピシッと動きを止める。何度練習したのか忘れるほど繰り返してきた、「ヒーローの証」だ。

 ――そして今こそ、俺は名乗りを上げる。夢を叶える狼煙となる、ヒーローの名を。

「生裁戦士、セイントカイダーッ!」

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