暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第4話 生徒会長、笠野昭作
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 やりづらいんだよ、ああいうの見たら。

 本人もあの時のことを思い出したらしく、頬を染めてバツが悪そうに目を逸らした。

「と、とにかく、もう危ないことして怪我を増やさないこと。わかった?」

 心配するだけしといて、深く詮索しない辺りは彼女なりの優しさなのかもしれない。

「わかってる」

 ……とは言ったものの、正直怪我は今後もガンガン増えて行きそうだ。
 悪いな、舞帆。

「おはよう、桜田君」

 と、いうところで、第三者の声が聞こえて来る。

 舞帆が振り返ると、スラッと背の高い美男子が爽やかに現れた。

「あ……生徒会長、おはようございます!」

 ちょっと神妙な面構えだった舞帆は、必死に取り繕ってなんとか笑顔で挨拶に応える。

 俺達の前に現れたのは、笠野昭作(かさのしょうさく)。宋響学園の生徒会長だ。
 成績優秀・容姿端麗・運動神経抜群と、女の理想像が人間の姿を借りて現実世界に飛び出してきたかのような男だ。

 おまけに航空会社の社長の息子でもあるらしい。

 舞帆に話し掛けたかと思うと、そのまま二人で俺にはわからないような難しい立ち話に突入してしまった。生徒会の仕事の話らしいが。

「ところで、そこの君は?」

 ふと、俺に話を振ってきた。

「え、ええと、彼は私達と同級生の船越大路郎君です! よく登校で一緒になるので……」

「へぇ……」

 笠野は感心したように声を上げると、こちらに歩み寄ってきた。
 敵意はなさそうに見えるが、生徒会長と落ちこぼれという身分差があるせいか、微妙に気後れしてしまう。

 そして、俺に顔を近付けると、

「妬けるな」

 とだけ言い残し、「じゃあこれで」と立ち去ってしまった。

「な、何て言われたの?」

 舞帆が心配そうにこちらを見詰めて来る。
 ……いや、なんつーか、誤解されてんな、俺達。

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