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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百二十八話 光明
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取引が出来、政府要人とも親しかった人間……。おそらくは財界の実力者、或いは実力者になろうとしていた人間だ。当時の著名な財界人をピックアップしてそこから調べるしかない」

私の言葉にトリューニヒトは難しい顔をして考え込んでいる。気に入らないのか? しかし他に手が無いんだが……。
『レベロ、その人間だが地球との関係は切れたのかな』
「?」
『本人が生きている間は続いただろう。問題は死んだ後だ。彼の子孫が地球との繋がりを維持していると言う可能性は無いか?』
「!」

なるほど、そういう見方が有ったか……。子供たちが関係を切りたがっても地球が、いやこの場合はフェザーンか、フェザーンが関係の継続を求めた可能性はある。子供が財界人ならフェザーンとの関係継続はむしろ望むところだっただろう。

「有り得るだろうな。トリューニヒト、その場合繋がっているのは取引をした人間だけかな、政治家も有り得るとは思わないか?」
『それも有り得る話だとおもう』

トリューニヒトの顔がますます渋いものになった。厄介な話だ、ヴァレンシュタイン元帥の推論が正しいのなら同盟にはフェザーンに繋がる人間が財界、政界にいるという事になる。当然だが彼らが気付かないうちに地球に利用される可能性も有るだろう。

「トリューニヒト、当時の政治家たちの子孫を調べたほうがいいな、そちらの方が早そうだ」
『そっちは私がやろう。君は財界のほうを調べてくれ、誰がラープのために動いたか、特定するんだ』
「分かった、そうしよう」

調べる方向性は見えてきた。協力者を特定できればそこから当時の真実が見えてくるかもしれない。ヴァレンシュタイン元帥の推論が正しいか、誤りかも見えてくるだろう。暗闇に一筋の光がさして来る様な気がした。





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