暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・5
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「まずはメインの材料のカスタードクリームだな。卵黄全部とグラニュー糖を半分入れて、もったりとしてくるまでかき混ぜる。」

「りょ、了解です!」

 手際よくカシャカシャと泡立て器でかき混ぜていく春雨。成る程、普段からよく料理をするだけあって手際がいい。俺はその間に鍋に生クリームと牛乳を入れて温める。沸騰直前まで温めたら、春雨が混ぜた卵黄とグラニュー糖を少しずつ加えながら混ぜ、全て混ざりあったら濾してやり、バニラエッセンスを適量加える。

 お次はもう焼きに入るぞ。

「春雨、ココット皿の内側にバター塗ってくれ。」

「は、はいっ!」

 バターを塗ったら生地を型に流し込んで、天板にお湯を張り、100℃に余熱したオーブンで30分、焦がさないようにじっくりと火を通す。

「け、結構手間がかかるんですね。」

「まぁな。食感が命のお菓子だから火加減が重要なんだ。」

 焼けたら取り出して冷蔵庫に入れてしっかりと冷やし、その間に上にまぶす粉砂糖とグラニュー糖の残りを混ぜておく。

「さぁ、大事な仕上げだ。しっかりと冷えた生地の上に砂糖をまぶして、バーナーで炙る……ってのは、さっき見せたよな?」

 それ以外にはオーブンを高温に上げて再びオーブンに入れ、ムラなくカラメル色に焦がしてやる。慣れない内はオーブンでやった方が失敗も少ないぞ。

「バーナーでやる時のコツはあるんですか?」

「そうさなぁ……こればっかりは場数を踏んで慣れないとなぁ。…あ、艦娘ならではの方法があるぞ。」

「な、何ですかそれは?」

「バーナーで炙る時に雪風か時雨に側にいてもらえ。最悪やってもらうのもアリじゃないか?」

「……えっと、それってコツって言うんですかね?」

「コツというか、験担ぎというか……けど、悪い結果にはならないと思わないか?」

「確かに、そうですねw」

 そこで作ったクレームブリュレはお土産として春雨に持たせてやり、後日白露や夕立にお礼を言われた。……なんだか本当に父親の気分だ。
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