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提督はBarにいる。
出撃・礼号作戦!〜決戦、重巡棲姫〜
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は作戦開始だ。叩き潰してこい。」

 俺が静かに作戦開始を告げると、一気に指令室内も慌ただしくなった。




 最初の打ち合わせでは艦隊はまず東南東に向かい、海流が二手に別れているポイントに到着したら連絡が来る手筈だ。

『こちら長門、ポイントJに到着した。』

「了解、打ち合わせ通り南に進んでくれ。」

 今回のルートの選択は、艦隊の構成を考えての事だった。海流から見てそのまま東方向に向かうルートと、南に向かった後で東に向かうルートだ。東に向かうと潜水ソ級flagshipを旗艦とした潜水艦部隊が待ち構えている。ウチの構成だと潜水艦を相手にするのは厳しい。それを踏まえての南ルートだった。しかし、此方にも問題がない訳ではない。

『敵艦隊の反応を探知!旗艦は……報告通り戦艦棲姫だ!』

 南進した艦隊から通信が飛び込む。報告には聞いていたが、やはり姫級が道中にいるというのは肝が冷える。

『マタ……キタノネ?ガラクタドモ!』

 通信機から響く戦艦棲姫の怨み言。これほど出会す度に厄介さと強さを感じさせられる敵艦がいただろうか?

 戦艦棲姫が初確認されたのはアイアンボトムサウンドと呼ばれた作戦の最深部だ。大和型を超える重装甲と大口径砲。そこから繰り出される砲撃は、直撃すれば戦艦でさえ一撃で大破させられてしまう。

「棲姫はまともに相手しなくていい、随伴艦を沈めて脇腹を食い破れ!」

『了解!』

 交戦状態に入った事で一旦通信は途切れる。誰かが損傷するか戦闘状態が終われば通信が入る。こちらからは無事を祈ってやる事しか出来ない。もっと細かく指示を出せば良いとも思うのだが、現場での直感に勝る物は無いと思っている。現場は現場に任せるのが一番いい。その為の訓練はしてある。




 再び通信が入ったのは30分後だった。

『こちら長門、戦闘終了だ。損害は特に無し……このまま進撃する。』

「わかった、ご苦労。」

 フーッと息を吐き出す。どうにか無傷で切り抜けてくれた。この先も油断は出来ないが、取り敢えず1つの山は超えた。そんなに心配ならばもっと細かく指示を出せば良いとも思うのだが、現場での直感に勝る物は無いと思っている。現場は現場に任せるのが一番いい。その為の訓練はしてある。

 その後は飛行場姫が飛ばしてきた爆撃機の空襲をやりすごし、戦艦タ級flagshipを旗艦とした艦隊を殲滅して、いよいよ最深部に待ち受ける艦隊と遭遇しようかと言うタイミングだった。




 通信を繋いでいた長門の通信機から、砲弾が着弾したような音が響いた。

「どうした!?」

『ほ、砲撃だ!戦艦の砲弾よりも小さいようだが、射程が戦艦のそれだ!』

 まさかとは思っていたが、やはりか。
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