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ジンジャーのお話
第一章
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                  ジンジャーのお話
 黄色い毛の雄猫ジンジャーは猟犬のピクルズと一緒に雑貨屋をしています、お店は繁盛しながらも今一つ儲かっていないままですが。
 それでも生活は出来ていて二匹は今の状況でいいかと考えていたりもします、そんな二匹ですが。
 お昼にです、ジンジャーはピクルズに言いました。
「ちょっと外に出て来るよ」
「お昼かい?」
「うん、実は今日はお弁当を忘れてね」
 それでというのです。
「ちょっとね」
「外で何か買ってだね」
「それでこっちに戻って食べるか外で食べるよ」
「レストランはどうかな」
 ピクルズはお店を出ようとする同僚にこう言いました。
「そこで食べたらどうかな」
「レストランかい?」
「そう、そこでね」
「何て名前のレストランだい?」
「割烹という和食のレストランだよ」
 ピクルズはジンジャーにお店の種類までお話しました。
「君はお魚が好きだしね」
「和食はお魚をよく食べるっていうね」
「実際にメニューで多かったよ、だからね」
「今日はそこで食べればっていうんだね」
「そうさ、どうかな」
「そうだね、いいかもね」
 ジンジャーは少し考えてからピクルズに答えました。
「お魚なら実際僕も大好きだしね」
「丁度いいね、じゃあ行ってきなよ」
「場所は何処かな」
 ジンジャーはお店の場所のことも聞きました。
「それで」
「駅の南出口にあるよ」
「南出口だね」
「そう、ここから結構近いしね」
「それじゃあね」
 二匹でお話してでした、そのうえで。
 ジンジャーは駅の南出口へと向かいました、するとそこに彼が見たこともない瓦の屋根の木製の建物があってです。これまた見たこともない文字であれこれ書かれていました。
 そのお店を見てです、ジンジャーは驚いて言いました。
「何かお店にはとても」
「ああ、ここお店ですよ」
 たまたま通りがかった白猫のおばさんがジンジャーに言ってきました。
「割烹っていう和食の」
「同僚から説明を聞きましたけれど」
「はい、それでここがです」
「和食のレストランですか」
「美味しいですよ、天丼とか」
「天丼?」
「まあ中に入って下さい、ドアは横に開きます」
「押したり引くんじゃなくて」
 ジンジャーはおばさんにこのことも尋ねました。
「そうして中に入るんですか」
「それが日本のお家らしくて」
「イギリスのお家とは全然違いますね」
「お店の中もですよ」
「じゃあ実際に中に入って見てみますね」
「はい、どうぞ」
 おばさんはジンジャーに笑顔で言いました、そしてです。
 ジンジャーはおばさんにお礼を言ってから扉のくぼんだ所に手をやって右から左に引きました、そうして開けて中に入りますと。
 木の椅
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