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夜空の武偵
Ammo12。俺の妹達と祖父が常識人なはずがない!
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……ちょっと待て。桜? ……泣いているのか? 俺は机から手を離すなり眉根を寄せて桜を見る。……それからゆっくりと桜のもとに寄ろうとした。その時。

「コロシテヤル」

顔を上げてから桜がそう呟いた。瞳孔が開いた目からダイヤモンドの様な輝きを放った涙が桜の頬を伝う。それから足元の残骸も気にせずにノロノロと桜は立ち上がった。そして破壊されたドアの残骸を靴底で踏み潰す。まさか……??

「コロスコロスコロスコロスコロス……」

ああ、やっぱり。
どうやら怒りによって正気を無くしたようだ。これはマズい!マズい!!!!! このままだと人を殺すぞ。

「桜!ちょっと待て!オイコラ!!!!!」

「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」

呪文の詠唱の様に理子への殺意を呟く桜。俺の力任せの必死の静止も無駄であった。つーかなんちゅう馬鹿力だ! コイツ! 年上で男でもある俺がこんな簡単に引きずられるなんて!

ガシャーン!!!!!

必死に静止をさせるも桜は俺を馬鹿力で廊下に吹き飛ばした。俺の体は廊下の壁に叩きつけられる。円を描くような感じではない。真横に、叩きつけられたのだ。
この力、爺ちゃんや父さんにもひけをとらない。まさか?? 自我を失ったことでリミッターが外れたのか?? さすがは星空の血筋……人間辞めてんな。
妙なところで血の繋がりを感じていると、桜と橘花は廊下に出てきた。

「おい、桜、橘花! 何する気だ??」

「「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」」

桜は指先からバチバチッと放電させ、橘花は水刃刀(ウォーターソード)を作り出した。
まさかこいつら……また水素爆発起こす気じゃ……?

「「テンチュウーーーーーー!!!」」

「駄目だ!コイツら!」

早くなんとかしないと! ……とは言え、今の状態の桜達をどうやったら正気に戻す事ができる??
今の状態をどうにかする方法……気絶させる。誰が? 俺が? 無理だ! 大切な妹達に手は出せない。意識を逸らす。どうやって? 何かないのか、有効な手段は! 今まで試してないことで。やった事が無い事……えーっと……! 一つだけ思いついた方法があるが許されるのか? 兄妹だろ、俺達??
……だが、他に方法は思いつかない!!!!!
……やるしかないのか。

「桜ぁぁぁあああ!!!!!」

「……?……??」

俺は桜の顎を掴むなり、半ば強引と言うか、無理矢理キスした。桜は突然の事に何が起こったか分からずだったようだが、途中で気づいてもされるがままになっていた。

「っ?? ああ! ずるいっ??」

ええい、こうなった
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