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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
プロローグ2 護るべきものを知った深海の姫
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突如として深海から現れた謎の勢力『深海棲艦』。駆逐艦から超弩級大型戦艦など多彩な艦種が存在する深海棲艦は瞬く間に人類から制海権を奪い取った。世界はそれぞれ制海権を取り戻そうと奮闘したが、巨大な艦船に対し深海棲艦のほとんどは生物のような姿をしたものや人間の女性のような姿をしていたため、深海棲艦を沈めることができず、逆に多くの者が水底に沈んでいった。今現在は在りし日の艦船の魂を宿した存在『艦娘』が建造され、人類は艦娘と共に制海権を巡って深海棲艦と争っていた。
深海棲艦の正体は未だに謎に包まれている。
一説では沈んでいった艦船の怨念が具現化したもの、別の一説では資源を乱用する人類への罰として現れた存在など様々な説が出ているが、最も有力なのが『轟沈した艦娘の成れの果て』説である。あくまで最も有力な説であって、『深海棲艦=艦娘』と完全に決まったわけではない。
深海棲艦についてわかっているのは、下位のイロハ級、上位の鬼・姫級が存在すること、それぞれの海域にて特定のコミュニティのようなものを形成していること、そして生あるものや生あるものが作ったものを狙って破壊するということだ。
だが、わかっていることが相手の全てではない。
なぜなら、人間に危害を加えようとしない『例外』も存在するからだ…………


………
……



日本の南方の海域に、その深海棲艦『防空棲姫』はいた。彼女は駆逐艦でありながら装甲や火力、雷装などが戦艦に匹敵するという桁外れの強さを誇っており、艦娘や人類からは『災厄』と呼ばれ恐れられていた。
しかしこの防空棲姫は深海棲艦の中では珍しく、艦娘や人類と戦う気はそこまでなかった。彼女は自由に動き回れればそれでよく、人類が海を移動しようが資源を取っていこうがそれを襲う気は全くなかった。まあ、艦娘が攻撃してきたら容赦なく沈めるが。
そんなわけで、防空棲姫は今日も気ままに海の上を動き回っていた。

「アオーイ空………ヒローイ海………コンナニイイ気分ニヒタッテイル私ヲ邪魔スルノハ………ダレダー!!」

防空棲姫はノリよくそう叫びながら、背後を振り向いた。すると、そこには『南方棲鬼』や『戦艦棲姫』をはじめとした防空棲姫も入っているコミュニティの深海棲艦達がいた。

「………ッテ、南方棲姫ニ戦艦棲姫ジャナイ。一体ドウシタノヨ?」
「ソレハコッチノセリフヨ。何イキナリ叫ンデルノヨ?」
「大シタコトデハナイワ。ソウ叫ビタカッタ気分ダッタダケヨ」

呆れた表情でそう言ってきた南方棲鬼に、防空棲姫は笑いながらそう言った。それをみた南方棲姫はため息を吐き、戦艦棲姫は肩をすくめる。
防空棲姫は南方棲鬼に聞いた。

「……ソレデ、皆シテコンナトコロニ集マッテドウシタノヨ?」
「イエ
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