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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 後編 @ 
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ノイズになりかけていたフルシチョフの会話に耳を傾ける。
さっきの男性がフルシチョフに話しかける
会話内容からするとどうやらあの男性にとってフルシチョフは恩師らしい
しかし、会話の一つ一つが何かおかしかった
漠然と感じたことだったが会話が地味に成り立っていない
不自然な会話を聞きながら5分が過ぎようとした時だった
フルシチョフが発した言葉に私は体が硬直しそうになった
それは「市場介入」であった
市場介入は別に政府が経済に介入することであるが、かつての資料の中でこいつが「同盟に対する越境攻撃」を示したことがあったのだ。
ほかにも「越境攻撃」を示す単語はいくらでもあったが、よくよくフルシチョフの発言とさっきの男性との会話をつなげると…
最初は「貿易会社の株価暴落」から始まりある貿易会社の買収では「同盟は出せて3億」に対し、「帝国は7億」で行けるなど。そして、「自治政府の市場介入」と話が進んでいった。
つまり、最初の部分で「株価」の話、すなわち経済の話で同盟経済の不況状態を話したのだろう。その状態では同盟の迎撃艦隊は送ることができて3個艦隊というところまで会話内容から察するに奴らは分析している。
と解釈できないこともない。
明らかに途中の文章がかみ合わないのだ。
経済的にも、政治的にもだ。
事実、同盟経済は悲惨なほどの不況に陥っていた。
主たる原因は地方の経済不振、ついこの間のエル・ファシル奪還作戦そして、今なお続く掃討作戦に兵力と資金を対帝国軍戦並みにつぎ込んでいた。
そうしたこともあり、全体的な資金不足もあり出兵は遠征は当然のこと迎撃だって厳しい目で見られていた。
もし、帝国軍が遠征軍として7個艦隊以上派兵した場合、同盟軍は短期に撃破されるだろう。
しかし、フェザーンは同盟・帝国双方に資金提供することで生きているようなものだった。
であるがゆえに、同盟消滅はまずいんじゃないかと思った。
だが、フルシチョフはさらに加える
「ペンタゴンズは粘るでしょうから…」
ペンタゴンズ
こいつはシャンプールのアメリカンフットボールチーム:シャンプール・ペンタゴンズの名前だが、今は右翼的すぎることからシャンプール・ヴァイキングと名前を改めている。
つまり、このペンタゴンズは自由惑星同盟のことである。
自由惑星同盟旗の中央には金色の五角形がある。
そこから由来しているのはほぼ間違いない。
つまり、自由惑星同盟がぎりぎりのところまで粘っているところで一進一退の侵攻作戦を繰り広げる銀河帝国軍を部分的にフェザーンは支援することにしているのだろう。
それに対して例の男性は
「それはちょっと困りますな。最終的にはペンタゴンズを完敗させることが目的ですから。」
帝国としては同盟の完全占領をもくろむ
そのためにはフェザーンの支援は当
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