暁 〜小説投稿サイト〜
『Blame』
『Melody』

[8]前話


君の指が奏でる音色。
乾燥した空気に響く君らしい弾む様な音色。

弦が切れたって其れも愛嬌。
指はボコボコで痛々しい。
其れでも手放さないアコギを羨む。

真実なんてのは、そもそも綺麗だけじゃない。
イタミだって付き物だった。

見つけて欲しくて助け求める。
なのに、いざ手を差し出されると躊躇ったりする。
そんな僕はまた判断を誤るんだろう。

同じ処ばかりを往復していた。
見飽きるほど見ている景色のくせに。

運命のせいなのか僕のせいなのか、解ってる。
僕自身のせいだって事くらい。

君の指が奏でていた音色。
今も耳の奥に残る淡い青春。
アコギに夢中だった君の最高の音色。



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