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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
プロローグ1 災厄に魅入られし少女
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少女はどこにでもいるごく普通の人間だった。普通に起き、普通に食事をし、普通に家族と出掛け、普通に友達と遊び、普通に寝るという、ごく普通の生活を送っていた。
数年前に突如現れた謎の生命体"深海棲艦"によって制海権を奪われた世界、日本を初めとした世界各国は制海権を取り戻す為に在りし日の艦船の魂を宿した少女"艦娘"を造り、深海棲艦と戦争を行っていた。時折少女の住む場所にも避難勧告が来るが、それでも深海棲艦による被害は少なかった。
そのため、少女は戦争とは無縁の生活を送っていた。いや、送るはずだった。
"あの日"が訪れるまでは…………


………
……



「ふわぁ〜〜………」

その日も少女こと黒夢凰香はいつも通りに起きた。しかし、今日はいつもとは違う。
今日は家族と友達と共に海に釣りをしに出かけるのだ。凰香はよく父親に連れられて海に釣りに出ていた。そのため、凰香は子供でありながら漁師顔負けの腕前を持っていた。

「凰香ー!早く着替えないと遅れるわよー!」
「はーい!」

一階で母親の呼ぶ声が聞こえてきたので、凰香は返事をするとすぐにパジャマから動きやすい服とズボンに着替える。そして一階に下りると、母親は昼に食べる弁当を作っており、父親は釣竿や餌、クーラーボックスなど釣りで使う道具を用意していた。

「おはようお母さん!」
「おはよう。早く朝ごはんを食べちゃいなさい」
「うん」

母親にそう言われた凰香は椅子に座り、母親がよそってくれたごはんと味噌汁を食べる。そしてすぐに父親の手伝いに向かった。

「お父さん、私も手伝う!」
「おお、そうか。じゃあその箱を車に積んでくれ」
「はーい」

父親にそう言われた凰香は釣り針や重りなど、小道具がたくさん入った箱をトランクに入れる。
そして準備を終えたとき、母親が弁当を持って家から出てきた。

「さあ、皆を待たせちゃいけないから、早く出発しましょう」
「そうだな。じゃあ、行こうか」
「うん!」

凰香は頷き、両親と共に車に乗り込み、友達が待っている港へと向かったのだった。


………
……



友達と集まった凰香はそこから港で船を借りて、外洋の方まで出ていた。そして今は皆で釣りを楽しんでいた。

「よいしょっと!」

凰香は自分の釣竿を引き、水中から魚を引き上げる。

「凰香ちゃん、すごーい!」

それを見ていた友達である少女が驚くように言った。先ほどから凰香はずっと魚を釣っているのだ。

「えへへ、ありがとう!」

凰香は照れ笑いを浮かべながらそう言うと、釣り針から魚をはずして、クーラーボックスの中に入れる。する
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