暁 〜小説投稿サイト〜
黒魔術師松本沙耶香 騎士篇
第三十一章

[8]前話
「次にお会いする時はこうした関係ではなく」
「ごく普通のですね」
「パーティーの場か歌劇場でお会い出来れば」
「そうですね、そうした場所で友人としてお会い出来れば」
「いいですね」
「はい、ではそうした立場で」
「そうした場でお会いしましょう」
 最後は軽く話をしてだ、二人は視聴と別れた。そうして市庁舎を出てだった。
 速水からだ、沙耶香に言った。
「ではこれから」
「私は日本に帰るわ」
「そうですか、私もそうですが」
「何で帰るつもりですか」
「空で」
 速水は沙耶香にこう答えた。
「帰りますが」
「私もよ、ただ私は予約している便には少し時間があるから」
「他の場所で、ですか」
「時間を潰すわ、いいお店に行こうかしら」
 沙耶香が好きなそうした店にとだ、速水に楽しげな微笑みを浮かべて述べた。
「そうしようかしら」
「やれやれ、相変わらずですね」
「今も女の子と遊びたい気持ちなのよ」
「それで、ですか」
「貴方は自分にと言いたいのね」
「お察しの通りです、ですが私は待つ者なので」
 だからだとだ、沙耶香に微笑んで述べた。
「貴女がそう思われない限りは」
「そういうことね」
「では先に日本に戻っています」
「ええ、ではまた一緒になったらその時は」
「宜しくお願いします」
 速水は歩いて空港まで向かった、沙耶香は朝から酒と美女の世界に向かった。そうして戦いが終わった朝のベルリンでそれぞれの方に足を向けて別れた。ベルリンの街は次第に寒さを増していて朝にもその寒さが忍び寄りその寒さが空気を清らかにもさせていた。


黒魔術師松本沙耶香 騎士篇   完


                          2016・11・22
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ