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ドリトル先生と沖縄の蛇達
第三幕その十一

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「友達のことを一人でも忘れたら駄目だね」
「はい、不合格」
「また落第したよ先生」
「全く、体育とどっちが苦手か」
「わからないわね」
「僕は体育だけはね」
 体育と聞いてこう言った先生でした。
「駄目でいつも学年最下位だったね」
「だからそれも違うから」
「先生もう一つの教科も絶対にアウトよ」
「落第よ落第」
「テストは零点で」
「いやいや、零点は取ったことがないから」
 学生時代のお話を完全に認識違いをしている先生です。
「こう言ったら何だけれどテストはいつも点がよかったから」
「学校の勉強はね」
「大抵の学問はそうだよね」
「けれどね」
「体育と」
「それのことは」
「何かよくわからないけれど」
 本当にわかっていないのが先生です。
「皆呆れてる?」
「うん、呆れてるよ」
「見ての通りね」
「もうそれこそ」
「お手上げって感じで」
 本当にやれやれといった感じの皆です、ですが先生は全く気付かないままなので仕方なくにでした。日笠さんの分までのお土産を買ってもらいました。
 お土産はすぐに神戸とイギリスまで送られることになりました、そしてです。92
 それが終わってからです、動物の皆はホテルまでの帰り道、夕刻の沖縄の街の中で先生にあの娘さん達について尋ねました。
「随分変わった服だったね」
「日本の着物?」
「ちょっと違うわね」
「着物にしては」
「派手だし袖も広くて」
「細かい部分も違って」
「帽子もね」
 そうしたところが違うというのです。
「何かな、あの服」
「沖縄の服なのはわかるけれど」
「あの服一体何?」
「何て服なの?」
「あれは琉装だよ」
 先生は皆に答えました。
「沖縄の昔の服だよ」
「つまり沖縄の着物ね」
「そうなんだね」
「うん、そうだよ」
 まさにと答えた先生でした。
「言うならね」
「お花の柄が違うね」
「こっちのお花なんだね」
「南国のお花だから」
「そうなんだね」
「そうだよ」
 まさにと答えた先生でした。
「お花もそれぞれの地域で違うね」
「気候とか地理の関係でね」
「どうしてもそうなってるね」
「だからなんだ」
「沖縄には沖縄のお花があって」
「琉装のお花はなんだ」
「沖縄のお花なんだ」
 動物の皆も言うのでした。
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