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フロンティアを駆け抜けて
挑戦!バトルピラミッド
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「まったく……勝手に散歩して捕まるなんて」
「今度から気を付けるから、ね?」

 連絡を取り、バトルピラミッドで落ち合ったジェムとダイバ。電話中も実際にあってからも、ぶつぶつと文句を言うダイバにジェムが謝り、宥めていた。ひとしきり文句と不満を吐いた後、ダイバはジェムに言う。

「で……行くんだね?バトルピラミッド」
「うん。私にバトルを教えてくれた人が待ってるの」
「君にバトルを……ね。パパが選ぶんだから腕は確かなんだろうけど」

 ダイバはジェムのバトルの実力を現状そこまで認めていない。それがはっきり伝わる言い方だった。歯がゆさはあるけれど、今の自分ではダイバには勝てない。

(だけど、私はもっと強くなる。強くなって、ダイバと……アルカさんを)

 どうしたいのか、は自分でもまだよくわからない。でも、二人は今のままでは悲しい。自分が両親から与えられたような優しさと情を、二人にも分けてあげたいと想った。

「……まあ確かに、この施設は確かに僕より君の方が向いてるかもしれない」
「どういうこと?」

 ダイバが入口を見て、ジェムもつられてそちらを見る。入口の向こうは、闇が広がっていた。

「……この施設は、一番下から頂上を目指していくわけだけど、上がる方法はバトルじゃない。迷路を探索して次の層にいく階段を探せばいい」
「ああ、あなたはあんまり動くの好きじゃなさそうだもんね」

 つまり、トレーナーが動く必要があるということだ。それではダイバは嫌がるだろう――と思ったが、ダイバは不愉快そうに首を振った。

「それもあるけど、違う。この施設は単なる迷宮攻略じゃない。『野生のポケモン』が出るんだ。出てくるポケモンは層によって違うけれど、共通してるのは……単純に攻撃してくるんじゃなく、状態異常の類を使うポケモンが多いこと」
「状態異常?……あっ」

 ダイバの言わんとすることを察する。彼の戦術を支えるのは能力強化から繰り出す圧倒的な攻撃力だが、回復や防御の技を使っているところはほとんど見ない。野生のポケモンにいちいち状態異常を仕掛けられたのでは、分が悪い。

「バトルが終わった後の回復はないの?」
「……ほかの施設みたいな定期的な回復はない。代わりにあちこち回復アイテムが落ちてるから、それを拾って回復することになる。……とはいえ、他の参加者もいる以上、そこまで期待は出来ないね」
「そっか……だから自分で回復できる技が多い私の方がいいんだ」
「他にもいろいろルールがあるんだけど……あそこに書いてあるから」

 古代の壁画のような茶色い色彩の看板にバトルピラミッドの特殊なルールが書いてある。今説明された部分を除き要点をまとめるとこうだ。

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