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詩集「棘」
全ては遠い思い出になって…

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時雨に霞む初冬の山波
艶やかな秋の色彩は褪せ
ただひっそりと眠りに落ち…

過ぎゆく時は砂嵐
見えているようで何も見えず…
淋しさだけが花咲く人生(ミチ)で
光を求め手を伸ばす…

窓際の蛇使い座
地に落ちた紋白蝶
全ては遠い思い出になって…
きっと永久を駆け巡る
静かなる夕べ…一人
君への想い紡いでも…


紫煙漂う肌寒い部屋に
恋しさだけが芳しく香る
哀しみさえも包み込んで…

朽ちゆく場所は夢現
目覚めることを望まない…
つのる想いは果てることなく
息も出来ずに頽れて…

リストラの冥王星
枯れ果てた宵待草
全ては思い出になって…
それは刹那(イマ)を忘れさせ
幽かな夢を垣間見せ…


この黄昏た世界の果てには
一体…何があると言うのでしょう?
朽ちた教会に這う蔦のように
全てはただ…遠く…

ネコ年の儚い希望(ユメ)
色褪せた紅葉の路
全ては遠い思い出になって…
いつかフッと振り返る
胸を強く締め付けて…

窓際の蛇使い座
地に落ちた紋白蝶
全ては遠い思い出になって…
きっと永久を駆け巡る
静かなる夕べ…一人
君への想い紡いでも…





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