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雲は遠くて
119章 信也たち、マンガ『クラッシュビート』を語り合う
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ラリーさんよりも、魅力のありそうな、物語を描いたって感じで。あっははは」

「現実の世界って、ある意味、(こわ)いし、殺伐としていますもんね。うそのような、
虚構の世界にだって、ついつい、(あこが)れたり、魅力を感じたりすることがあるわ」
 
 そう言いながら、由紀が、きれいな瞳で、信也に微笑んだ。

「現実の世界って、過酷だったり、厳しいことが多いからね。
まあ、マンガの『クラッシュ・ビート』も、
おれや、現実の、実際の、おれたちクラッシュビートを超えてゆくような、
そんなパワーのある、元気の出るような、そんな人気マンガになって欲しいですね。
おれたちも、マンガに負けないように、がんばるけどね!
音楽やマンガも芸術も、そんな現実を乗り越えるためにあるんだろうからね。あっははは」

「信也さん、ありがとうございます。これからも、わたしたち、ベストで、楽しいマンガにしてゆきます。
このマンガは、信也さんや、森川純さんとか高田翔太さんや岡林明さん、
そんなクラッシュビートのみなさんが、素晴らしい個性の方々だからこそ、誕生したんです。
みなさんの活躍があるからこそ、生まれた、信也さんたちが、モデルのマンガなんです!
おかげさまで、連載開始から、感動したとか、共感したとかの、膨大(ぼうだい)な数の声が、
もう、毎週、編集部には寄せられています。
ファンの方々は、信也さんがモデルの主人公のキャラクターとかに、
自分を重ねあわせて、それで感動したり、涙したりや共感しているんです!」

 編集者の青木葵(あおい)は、笑顔でそう言いながら、澄んだ瞳を輝かせる。

「あっははは。それは良かったですよ。おれも、このマンガは大好きなんです。
あっははは。おれがモデルなんでしょうけど、あの主人公は、おれよりも、
行動力や才能もある感だよ。あっはは。
キャラクターも、みんな、かっこいいですよね。マンガなんだから、当然ですけど。
ストーリーも、ハラハラドキドキの展開で。
毎週、楽しみですよ。あっははは。
心菜(ここな)ちゃんも、由紀ちゃんも、よくあそこまで、マンガを作りこみましたね。
ついつい、おれなんかでも、感情移入してしまうような、
強烈な個性のキャラクターに、マンガの主人公たち、登場人物が仕上がってますよ。あっははは」

「しんちゃん、褒めていただいて、とても嬉しいです!」

 心菜は満面の笑みで、信也を見つめながら、そう言った。

「しんちゃん、ありがとうございます」

 由紀も笑顔でそう言った。

「おれも、マンガの『クラッシュ・ビート』からは、勇気をもらっている感じですよ。
この音楽業界って、天才的な人が多いんですよ。だから、ついつい、
おれの才能なんか、たかが知れたものって考えて
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