暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
河豚より美味い、フグ目の魚。
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き出している血管を流水で洗う。カワハギはこの肝も絶品なんだよな。フグと違って無毒だし。身は三枚に卸して薄造りに。このまま刺身で……でも美味いんだが、ここにもう一手間。

 使うのは先程取り出した肝。コレをすり鉢で擂り潰したらそこにポン酢、更に柚子の皮をすりおろした物と果汁を少し。更に自家製一味唐辛子(これはイタリア回で育ててた鷹の爪を、乾燥させてミキサーで砕いた物だ)。コレで特製の肝ポン酢の完成だ。そこに薄造りにした身を加えて和えたら出来上がり。

「お待たせ。カワハギの肝ポン酢だ。」

 6人は嘗めるように味わうと、枡酒を流し込む。

「河豚より美味しいって聞いて疑ってたけど、ホントに美味しいねコレ!」

「ホントですねぇ。カワハギってこう、不細工な顔だから美味しくないのかと思ってました。」

 見た目で判断するのは感心しないなぁ春雨。魚も人も、中身が肝心なんだぞ?



 さて、カワハギはフグと同じように唐揚げや天ぷら、皮を残した状態で塩焼きやソテー、肝も残して煮付け等々、幅広いレパートリーが出来る。肝も残さずに、擂り潰して醤油と混ぜて肝醤油を作り、コレだけを熱々の白飯にかけても絶品だ。しかも寒くなるにつれてカワハギは更に脂が乗ってくる。コレを捌いて鍋にし、付けだれを肝ポン酢にしたら、下手するとふぐちりよりも美味いかも知れん。いや、マジで。

 さぁさぁ、港町育ちの魚介類レパートリーの多さ、味わって貰おう。
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