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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃならない時があるのです。その2
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ロプ星系での戦闘詳報は逐一届けられていた。
「あの孺子が戦端を開いてから、今日で5日目か。にもかかわらずまだ敵を突き崩せぬとは。フン、口ほどにもありませんな、叔父上。」
フレーゲル男爵がさげすんだ調子で感想を漏らした。ラインハルトは初戦こそ敵に一撃を加えることに成功したが、その後は頑強な敵の抵抗にぶつかって思わぬところで苦戦を強いられていたのである。
「大兵力同士の戦いです。1日で勝敗が決まるというのがむしろ珍しい事例だと思っていただいた方がよろしい。」
「おや、ミュッケンベルガー元帥閣下におかれましては、あの孺子を擁護なさるつもりですかな?」
「そのようなことではない。私は全軍を預かる身だ。あの孺子一人にかかずりあっている暇も、その意志もありはしない。だが、あの孺子の下には有能な将兵が多く配属されておる。むろん、フレーゲル男爵、卿のような貴族も多数な。」
ミュッケンベルガー元帥の言わんとするところを読み取ったフレーゲル男爵は、一瞬歯を食いしばったが、何も言わなかった。ラインハルト軍を非難することは、そこに麾下として加わっているヒルデスハイム伯爵ら貴族連中を非難することにもなるからだ。
「もうよい。あの孺子のことなら放っておけ。負けぬ戦いをしておればそれでよい。こちらの本隊同士の決戦が終了すれば、それで勝敗は決するのだ。なんのカストロプ星系の敵ごとき、儂が余勢をかって討ち滅ぼしてくれる。」
ブラウンシュヴァイク公爵の後半の言葉はともかくとして、前半は正しいものだった。リッテンハイム侯爵が破れれば、この戦いは一応の終止符が打たれるのだ。
「それよりもまずはリッテンハイムめを討ち滅ぼす方が先決だ。ミュッケンベルガー元帥、すでに策はできておるか?」
「無論の事です。」
ブラウンシュヴァイク公爵とミュッケンベルガー元帥は他の将官と主だった貴族と共にブラウンシュヴァイク公の旗艦ベルリンにて会議を行っていた。ブラウンシュヴァイク公爵側の兵力はおよそ20万隻。対するリッテンハイム侯爵側の兵力はおよそ10万隻。バイエルン候エーバルトを増援に出したとはいえ、その後付近の星系に属する地方貴族の巡航艦隊やはては海賊連合までをも強引に麾下に引き入れてその質はともかく艦艇・兵数だけは拡充していたのだった。
リッテンハイム星系は美しい緑色の淡い銀河をバックにした広大な宙域であり、アステロイド帯も異様な恒星磁場も一切ない。質の高い安全宙域こそが貴族の領地として最もふさわしいという基準からすると、まさに理想の宙域と言えた。(むろんバーベッヒ侯爵のシャンタウ星域のように例外も多数あるが。)
それはまた、大艦隊どうしがぶつかり合う宙域として充分なスペースを確保できていることも意味している。
「我々は数に置いて圧倒的に有利です。したがって小細工をかけず、まずは正面から
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