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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
人形-マリオネット-part6/二つの心
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心によぎりつつある恐れを口にした。
「確かに、俺の言葉はファウストに響いたかもしれない。でも、一度も二度も同じ手が通じるとは…とても思えないんです」
「だろうな。あの娘っ子は魔法でファウストの力を制御していた。けど先日の戦いで、相棒の言葉で娘っ子の動きが鈍った。ウェザリーって女は娘っ子の洗脳を完璧なものにするために、今度はより強化された術をかけるだろうな」
魔法に通じているデルフもそれには同意した。
「確かに、次の戦いではファウストはきっと君の言葉よりも先に刃を向けてくる。今度は、言葉だけじゃどうにもならないかもしれない。でも、それでも君のやることは何も変わっていないはずだ」
サイトはまだハルナを助けたいという思いを諦め切れていない。だからムサシの言うことが最もだ。
「…春野さんは、簡単に言いますね」
だが…サイトはどうしてもその言葉を飲み込め切れなかった。
「前にも言ったはずだ…俺には…俺たちにはコスモスほどの浄化の力なんて持ってないんですよ!そしてあなたは変身することもできない!そんな安っぽい言葉だけでどうにかなるって思うだけのあなたに、俺たちの何がわかるんだ!!」
自分でも、これが八つ当たりでしかないことはわかっていた。だがムサシの言い切りに対し、サイトは前回の戦いでハルナを救えずに逃がしてしまったことへの後ろめたさと自分への無力さに対するイラつきから、ついにムサシへ当り散らすような言い方をしてしまった。
だが、ムサシはサイトの怒鳴り声に対して決して逆切れすることはなく、正面から彼の負の感情を受け止めた。
「わかるさ。僕も同じ経験をしたことがある」
「…!」
同じ経験を下という話を聞いて、サイトは思わずムサシの顔を見る。サイトに視線を向けられ、ムサシは穏やかな口調と表情を浮かべたまま話を続けた。
「まだカオスヘッダーと敵対していた頃、僕はカオスヘッダーによって凶暴化された怪獣たちを救うために、彼らと戦うことになった。
その中にはリドリアスやゴン…僕が中でも友達として認識している存在とも戦う羽目になったことがある。でも、例えコスモスの力があったとしても、彼らを守りながらカオスヘッダーと戦うことは簡単なことじゃない。下手をしたら、逆にその力で彼らの命を奪うことだってあった」
「あ…!」
そうだ、その通りだ。ムサシは今回のような、本来は悪意の無い存在との戦いを強いられていた…そのことを忘れていた。なのに…辛いのは自分だけだと思い込んで、ムサシに当り散らしてしまった。
「確かに君の言うとおり、今の僕は変身することはできない。でも、たとえコスモスの力が使えなくたって、僕は怪獣たちを救うことも、当然ハルナちゃんを救うのを諦めるつもりは無い。最期まで…絶対に。だって、一度でも諦めてしまったら、後悔しか残らないと思うから。
君だっ
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