暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五三話 最強への一歩
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
可能性に血の気が退く。

 そうだ、自分の役目は不知火弐型を完成させ、米国の技術を入手すると同時に之から完成するだろう不知火・武御雷の次の機体への一助とすることだ。
 ユウヤたち外国人を守る事ではない、優先順位が間違っていた。


「信用するな、と言っている訳じゃない。だが、一線は引いて置け―――それが双方の為だ。」


 忠亮の言葉は真実だ、現実だ。―???それを冷めたように言う彼。
 きっぱりし過ぎているというのか。其れゆえに彼は内と外で明瞭に分けていて、そして優先順位を決めている―――それ故にぶれないし迷わない。そして立ち止まらない。

 多分、それは強さの一つ。孤高の強さだ。


「しかし、まぁどうした物かな。お前が困っているのを突き放してそれで終わり、というのは少々寝覚めが悪いな。
 ―??そうだな、リハビリがてら少しばかりやつらに稽古をつけてやろうか。」
「稽古……ですか?」

 不敵に笑う忠亮、師範代クラスの実力を持つ彼ならば教練も確かに出来るだろう。そして逆に言えば弐型フェイズ1がロールアウトするまでの僅かな期間で彼らには日本機の扱い方をマスターしてもらわないといけない。

 そういう意味ではあらゆる日本機に搭乗し、それを乗りこなしてきた彼に教練をしてもらうのは都合がいい。


「もう一週間ばかり、(おれ)はこっちにいる。その間に限るが……どうだ悪い話ではないだろ?」
「それは、確かに……」

 歯切れの悪い唯依。だが、それに対し忠亮は苦笑する。

「ならば決まりだ。さて、肩の苦しい話は此処までにするか。―??それにしても綺麗になったな。」
「そ、そんなに変わりましたか!?」

 軍人としての仮面を脱ぎ捨てた忠亮が面白可笑しく言う。誰よりも自分を見ようとしてくれている彼が言うのだから確かに変わったのかもしれないと思う。

「お前ぐらいの年頃の娘なら数か月どころかひと月もあれば変わるモノさ。」

 しれっと言ってのける忠亮の言葉に朱が入った顔で明後日の方向を向く唯依。素直に褒められた恥ずかしさで直視出来なかった。

「あう…恥ずかしいです。」
「照れるなって。」

「そ、そんなことによりも何で忠亮さんがこちらに?」
「あ――……それなんだがな。」

 之以上揶揄われても堪らないと、矛先を変えるとバツが悪そうに言い淀む忠亮。―??珍しい事だ。

「どうしたんですか?」
「いやぁ……ちょっとリハビリで無茶をしてな。その調整のために来てたんだ。」

 小首をかしげる唯依に歯切れ悪くも答えるとその言葉に唯依が血相を変えて飛びついてくる。

「だ、大丈夫なのですか!?痛いところは!?」
「お、落ち着けって………大丈夫だ、大事ない。」

 あちこち
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ