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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第93話 サウスの戦い 終結
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 ミネバを追って、入り込んだ先は、町の広場だった。
 普段であれば、人々が往来し、露店が立ち並び……、平和そのものだった筈だ。見てみるだけで、それはよく判る。
 目の前の、人非ざる者の所業によって、まるで廃墟の様に変えられてしまった、と言う事も。

「がははは! 追い詰めたぞ、筋肉ババァ。とっととオレ様の剣の錆になれ!」

 一目散に追いかけたランス、そして ユーリの2人のみが ミネバの前に立っていた。
 他のメンバーは、まだあの乱戦から抜け出せれておらず、放っておけば、地力で勝る解放軍側が勝利し、ミネバの相手が増える事になる為、ミネバの取った手段は、現時点では最適解だ。
 幾数モノ修羅場を潜り抜けてきたミネバだからこその判断と行動だろう。そして、何よりもこの場所には、切り札があったから。

「年貢の納め時だ。……お前は、これ以上野放しにする訳にはいかん。……覚悟しろ」

 ランス程には声を大きくしていないものの、その静かで、……静かだと言うのに、身体の髄にまで、頭の中にまで響いてくる、伝わる殺気は圧倒的に群を抜いている。向けられた相手であるミネバだからこそ、伝わった様だ。

「ククク、本当に とんでもないぼうや達だよ」

 ミネバは、決して表情を崩さない。
 単純な戦闘力では、勝てない相手(ユーリ)と更にもう1(ランス)、2対1の分の悪さは、先ほど既に体感しており、更にはだまし討ち(フォト・ショック)ももう既に使ってしまっている。一度見せた業、二度目も通じるとは思えない、いや、悪手、死路だと言っていい。つまり、援軍が望めない今の状況は、ミネバにとっても絶望的とも言っていいだろう。

 だが、それは客観的な意見。先ほどのミネバとの一戦を見た者であれば、容易に考え付くであろう答え。

 ミネバの腹の底を読める者など、記憶を読む情報魔法を使う以外は無く、更にそんな魔法を使わせる訳も無い為に、殆ど不可能だと言えるだろう。だからこそ、ミネバだけが知る、現状の窮地を救う一手……、それも最善にして、最適の手。それを、このヘルマン第三軍 大隊長ミネバは、持っているのだ。

「………」

 不穏な気配を感じた事と、元より、手練れの相手であれば、どんな者でも決して油断せずに、全てに備えるユーリは、当然ながら、余裕の類はランスと違って持たない。戦いに絶対は無いという事を、彼はよく知っているから。

「がははは! 死ねーー!」

 ランスは、そんな事全く考えてなく、ただただ猪突猛進に突っ込んでいく。
 そんなランスを止める事もなく、ユーリもやや遅れ気味で向かった。ランスを一の矢として考え、その後の最善の策を考える為に。……まぁつまりはランスが囮の様なものだ。正直に話せばランスは怒るだろうから言わない。と言うよ
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