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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第155話 再召喚
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らないが、仮に居ると仮定したとしても、今のガリアにその神が加護を与えている可能性はゼロだと思う。
 少なくとも、ブリミル教が偶像崇拝を禁止している事を良い事に、そのブリミル教の聖人スリーズの像だと言って、本当は土のガリアの守護を担っている土の精霊の女王ティターニアの像に祈りを捧げさせ、誰も気付かない内にブリミル教から精霊に対する信仰にすり替えて仕舞うような国に対して、その偶像崇拝を禁止している神が加護を与える訳はない。

「知っての通り、召喚から契約に至る流れは始祖ブリミルが伝えし魔法の基本」

 そして、この召喚の儀式の成功は神が望みし事。其処に疑いを抱く理由はない。
 ……ソレが何処の神の望みなのかは分からないがな、などと言う危険な言葉を腹の中に呑み込みながら、それでも、それまで明確に誰かを映す事のなかった瞳の中央に自らの召喚主を映す俺。

 その瞬間、それまで彼女からの一方通行だった視線が絡み合い――
 そして彼女は小さく首肯いた。前世の俺の記憶の中に居る彼女なら絶対に浮かべる事のない透明な表情のままで。

「騎士と貴婦人……と言うには、双方ともやや幼すぎる帰来はあるが――」



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