『LOOSER』
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『此の世界には勝者と敗者しか居ない』
誰かがそんな悲しいことを言ったんだ。
其の過程にいる人なんて無意味な存在だと。
どんなに負けまいと歯を食いしばり生きてたって、結局は負けるんだと。
そう、勝者になる人は既に決まってる。
敗者になる人も既に決まってる。
其れは誰もが決められた運命なんだと言う。
だから逆らう事なんて無理なんだって。
何もかもが崩れ去る音を聞きたいわけじゃない。
正義を振りかざしたいわけじゃない。
自分が正しいだなんて思ってない。
綺麗事が言いたいわけじゃない。
決して...。
でも、なんで?
高い処から他人を蔑んでる人が勝者なんて笑えるでしょ?
勝者なら嬉しくて輝いてる筈でしょ?
どうしてそんなに醜い面引っさげてるの?
狂った世の中を嘆いたって何も変わりはしない。
たとえ僕が居なくなったとしても決して何も変わりはしない。
そんな僕は間違いなく敗者なんだろう。
媚びへつらって愛想笑いしてる勝者。
高みの見物で心が動かなくなった勝者。
誰かの心の声に耳を傾けることが出来ない勝者。
そんな勝者なんかより、僕は今の敗者のままがお似合いだ。
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