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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
2話『大切な人』
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 妖魔帝エルガとの戦い……それは多くの人々を犠牲にした上で成り立った勝利と言える。騎士ガンダム達の世界に存在していたエルガの力によってモンスターに変えられた人々は勿論、運良くモンスターに変わらなかった者達の末路も酷いものだった。

 それでも辛うじてガンダム達からの情報を元に何とか対策を施せたDEMコーポレーションの支社の近隣程度しか被害を0に抑えることはできなかった。それが原因で妙な悪名を与えられる事になってしまったが。
 だが、IS関連だけでなく医療、電子機器その他多くの部門を持った、世界各地に支社を持った大企業。妙な悪名は付いてしまったが、それでも未だに世界中で『親が子に望む就職先ランキング』の堂々一位の企業である。










 数名の人影がDEMコーポレーションの施設に入って行く四季の姿を監視していた。立場が上と思われる人間が部下と思われる者達に指示を出す。
 日が沈み夜の闇に包まれた時、夜の闇に紛れて集まった者達がDEMの施設内に入り込もうとする。だが、夜と言う時に生きる影の英雄にとって、今の時間は正にホームグラウンドなのだ。
 ビルの屋上から侵入者達を見下ろしている人影が満月に照らされる。風に流れる金色の髪、全身を包む漆黒のアーマーに、胸には金色に輝くエンブレム。何処かのダークヒーローを思わせるその姿が月光に照らし出されている。

 音も無く侵入者達に襲い掛かる漆黒の影。彼もまたこの世界に現れたガンダムの一人。影ながらDEMの守りを勤める影の戦士『ガンシャドウ』。

 この世界でDEMに保護されたガンダム達はこうして何人かのチームに分かれて各支社の護衛にも着いている。その中でこの施設の夜の護衛についているのは彼となる。










「四季、寂しかった」

「詩乃、寂しい想いをさせてごめんな」

 アリーナでのコマンド達からの訓練も有り結構帰りが遅れてしまった。元々彼女と同じ学園に入学の予定だったが、男性操縦者発見の一件により四季はIS学園に入学する事になってしまったのである。

「それで、そっちはどうだった」

「うん、みんなが一緒で楽しかった」

「良かった」

 かつて共に戦った戦友たちの居る学園なら、彼女にとっても良い所であったのは間違いない。それでも、自分が側に居られない場所と言うのは不安も残っていたのだが、それは杞憂だったようだ。

 ゆっくりと彼女を抱きしめているとそれだけで己の中の秋八や千冬に対して抱いている負の感情が消えていく。やっぱり自分は彼女の事が好きなんだと再確認できる瞬間……何度理解しなおしても悪い気などするわけが無い。
 義父の事も大切に思っているが、それでも彼女のためならばDRMさえも捨てる覚悟だって有る。……
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