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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十六話 宇宙艦隊副司令長官を代行することになりました!!
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らなかった。それでも確実なことはブリュッヘル伯爵艦隊は艦列を乱し、損害を増しながらも艦隊としての運動を継続し、カストロプ本星に逃げる姿勢を取り続けているという事である。ラインハルトはさらにワーレン、アイゼナッハ艦隊を投入して絡め手から攻撃を仕掛け、さらなる損害を与え、ある程度まで追撃をしたが、イルーナ、ウェリントン伯爵らと協議し、全艦隊に追撃中止と部隊の再編成を指令した。戦場でメルカッツ提督から指揮権委譲を受けたとはいえ、自分の独断だけで追撃ができるわけではない。あくまでこの戦闘における指揮を任されたに過ぎない。ラインハルトとしてはできうるだけ追撃して敵の戦力を削いでおきたかったが、そこは我慢したのだった。

 完全に敵軍が去ると、ラインハルトは初めて後方を振り返って、キルヒアイスに話しかけた。
「キルヒアイス、周囲を警戒しながら戦後処理に当たってくれないか?」
「かしこまりました。・・・メルカッツ提督の下に行かれるのですね?」
「・・・・提督の容体が心配だからな。」
キルヒアイスにそういったときのラインハルトはうわべだけでなく本心から心配そうな様子を見せていた。何しろバーベッヒ侯爵領内討伐などでメルカッツ提督の麾下に配属されて長い。メルカッツ提督はアデナウアー艦長ではないにしろ、いわばご自身の父親のような存在ではないのかとキルヒアイスは思っていた。


そのアデナウアー艦長は帝都で既に退役して養生の身であり、時折ラインハルトとキルヒアイスはベルトラム大佐らとともに彼の元を訪れて見舞いを続けている。ハーメルン・ツヴァイはラインハルトがまだ中尉に過ぎなかった時初めての宇宙艦隊勤務で乗り組んだ艦であるが、それだけに思い出深いところであった。これは余談である。


後事を信頼できる赤毛の相棒に任すと、ラインハルトはアリシアを伴ってシャトルに乗り込んだ。メルカッツ提督の旗艦に乗り付けたラインハルトは同時に到着したイルーナとウェリントン伯爵と共にシュナイダー中佐の出迎えを受けた。
「閣下は依然容体が予断を許さない状況です。ですが、ほんの数分だけならば面会は可能だと医師は申しております。」
「会おう。いや、今後の事もある。ぜひ会わなくてはならない。」
うなずいたシュナイダー中佐は3人を提督の病室へ案内した。ベッドに病臥していたメルカッツ提督は医師らの助けを借りて身を起こした。血のにじんだ包帯を頭に巻き、時折ふっと意識が飛びそうになるのを意志の力でこらえている。その様を見て3人は胸をうたれていた。
「ご覧のとおりのありさまだ。卿等には迷惑をかけたな。特にミューゼル大将、卿には重荷を背負わせてしまった。すまないことをした。」
「お気になさらないでください、閣下。わが軍は勝利いたしました。閣下が勝利への(きざはし)を既にたてられていたからで
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