暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
12. 夕方5時 〜電〜
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 赤城さんと妖精さん、そして子鬼さんの“あなたと空を駆け抜けたくて大作戦”から一週間ほど経過していた。あの日以降、時々赤城さんは演習を中止し、子鬼さんたちにせがまれてみんなを大空に飛ばしていた。

「はい。次は誰ですか?」
「キヤァァアアアア!」

 赤城さんが言うには、子鬼さんを大空に送り出すのはとてもよい飛行訓練になるらしい。おまけに対空演習も減り、その分ボーキサイトの消費も減った。そのため最近司令官さんのグチが減った、と集積地さんは言っていた。

 今日は集積地さんと晩ご飯を一緒に食べる約束をしている。午後の遠征任務が終わったところで時計を見る。午後六時前。そろそろ晩ご飯の時間だ。集積地さんを誘いにそろそろ資材貯蔵庫に向かおうか。最近はもはやいるのが当たり前の状態になってきた集積地さん。みんなの間でも、集積地さんは鎮守府のメンバーどころか、ただの艦娘みたいな扱いになってきていて私もとてもうれしい。

 演習場の前を通ると、今日も赤城さんが幾人かの子鬼さんにせがまれて子鬼さんを大空に送り出していた。そろそろ晩ご飯なのだが、まだ終わりそうにない。声を掛けるのはやめておいて、そのまま資材貯蔵庫に向かう。到着したら、分厚い扉を開いて中に入る。冷たい空気と乾燥した雰囲気が漂っていた資材貯蔵庫に、人の温かさと和やかな空気が漂いだしたのはいつ頃からだろうか。心地いい生活臭を感じ、私は資材貯蔵庫の奥に向かって歩いて行く。

「ああッ……クソッ……パリィだとッ……」

 集積地さんの悔しそうな声が聞こえた。今日もゲームをやってるのかな?

「ちょっ……闇霊が……エスト……のま……げふぉッ!?」

 何のゲームをやっているのかさっぱり分からないが、集積地さんは無事YOU DIEDしたみたいだ。集積地さんの叫びとともに『ズォォオオオオン』だか『グォォオオオオン』だかいう重い効果音が鳴っていた。この音の雰囲気はゲームオーバーの雰囲気だ。

「集積地さん」

 集積地さんが居を構える奥のスペースに顔を出す。ハンモックにテーブルにテレビモニター……資材貯蔵庫にあるまじき生活必需品が並び始めたのはいつからだろうか。いつからこの光景が自然になったのだろうか。

 集積地さんは、テーブルの前に置かれた座椅子にもたれかかりゲームのコントローラーを握りしめて、すさまじいショックを受けた後のようなうつろな表情でモニターを眺めていた。

「……ぁあ、イナズマ」
「集積地さん、晩ご飯を一緒に食べに行くのです」
「分かった。ちょうどいい」

 集積地さんはニコッと私に笑顔を向けた後ゲームを終了させ、テレビの電源を切った。いつからだろうか。この、抹茶色と紺色とあずき色のジャージがよく似合う集積地さんが、私の友達になってくれたのは……なぜか不思
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ