“一緒”
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第三者side
ここは退場者たちが集う待合室。そこでモニターで試合の行方を見守っている猫耳の女性とゲジ眉の男性の元に、一人の少女が転送されてくる。
「あ、ソフィア」
「お疲れ」
戦いで乱れた髪を手櫛で直すソフィアに声をかけるミリアーナとユウカ。それに対し彼女は何も答えることなく、ミリアーナの隣にある椅子にちょこんと座る。
「ミャア?ソフィア怒ってるの?」
「え?怒ってないよ?」
何も返事をしてくれない少女の反応を見て膨れているのかと顔を覗き込んだミリアーナだったが、ソフィアはなぜそんなことを聞かれたのかわからないといった顔をしている。
「いや、返事してくれなかったから」
「あ!!ゴメンゴメン。こっちが気になってたから」
ソフィアはただ自分が退場した後のゲーム展開がどうなったのかを気にしていただけだったようで、言葉を交わしてみるといつも通りの感じだった。
「それで?ソフィアが退場した後どうなった?」
設置されている画面を凝視してその後の展開を確認しようとするソフィア。そんな彼女にミリアーナとユウカが事の進展を伝える。
「シリルがカグラのスペルを当てたが、退場はリオンに阻止されてたな」
「カグラさんのスペルって何だったの?」
「五文字透視」
「あぁ・・・」
言われてみると想像できなくはないスペルだっただけに、なぜ戦っている最中に思い付かなかったのかも残念そうな表情を見せる。
「カグラのはともかく、ウェンディのスペルって何なんだ?」
「私たち、それが気になって仕方ないんだけど」
自分たちのプレイヤーのスペルよりも、いまだにベールに包まれている少女のスペル名が気になって仕方ない様子の二人。ソフィアは彼らが複数で挑んでも攻撃を当てることすら出来ていなかったのを思い出し、そのように思うのもうなずけると納得していた。
「シリルと一緒だよ」
「「え?」」
「シリルと一緒」
ソフィアの言葉の意味がわからず、ミリアーナとユウカは顔を見合わせる。
「二人とも同じスペルってことか?」
「でもそれじゃあ文字が被っちゃうから発動できなくなるんじゃ・・・」
ソフィアの言葉を信じるのなら、5スペルサバイバルのルールにある『文字が一つでも被った場合、その能力は発動できない』に抵触してしまう。なので二人はその旨を伝えると、少女はなんと説明すればいいのか一度整理をし、再び話し始める。
「二人のスペルは別々だよ。ただ効果は一緒ってこと」
「そういうことか」
スペル名さえ違ければ、効果が同じであっても問題はない。なぜならそれを禁止するルールはどこにも存在しないのだから。
「そういえばシリルにも攻撃当たってないもんね」
「??最初は拘束できてたんだろ?」
「
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