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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#17
MILLENNIUM QUEEN 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE\〜
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、暗闇なのに頬が紅潮していくのがはっきりと解った。
「つ、 『都合の良い』 とは、どういう事でありますか?」
「ふむ、 “そう考えて良いだろう” 君も同じ事を想っていたのか」
 反射的に両腕で (といっても片方だけだが)
躰を抱きヴィルヘルミナは身を引く、
しかしミュールの踵がマットの縁に突っ掛かり
そのまま仰向けに倒れ込んだ。
「ぅ……」
 弾みでキャミソールの肩紐がズレた、
どうしようもないくらい無防備な姿勢、
男の影が、自分の全身に覆い被さる。
「だ、ダメ、ダメで、あります。
“こんな時に” そんな……」
「 『こんな時』 だからこそ良いのだ。
物事は逆に考えた方が良い時もある」
「ですが “こういうコト” はお互いの」
「シッ、余計なコトは考えず、ここはオレに任せて欲しい」
 男の顔が間近に迫り、潤った口唇の先に立てた指が宛われた。
(顕……現……)
 ソレまで黙っていた(元々口数は少ないが)髪飾りが、
契約者の嘗て無い未曾有の危機に正気を逸脱した。
 やはりこの男は不逞の輩、
(ヴィルヘルミナ)の弱みにつけ込んで
欲情を充たそうとする痴れ者に過ぎなかった。
 どうしてとっとと焼き散らしておかなかったのか、
(ほんの少しでも)心を許したヴィルヘルミナ共々義憤の情を禁じ得ない。
 行使者の意図を無視して水晶の神器が絹糸状に(ほつ)れ出した瞬間、
暗闇の間近で凄まじい壊音が響いた。
 天井が剥がれ照明が割れ、降り注ぐ破片と倒れ込んでくる荷物棚から
ポルナレフはヴィルヘルミナを庇う。
「……!」
 ようやく眼が慣れてきた倉庫の中は、
足の踏み場もないほど多種雑多な物で埋め尽くされ、
奇跡的に自分だけが無傷でマットの上に倒れ込んでいた。
「う、ぬぅぅ……」
 顔を上げると、額から血を流すポルナレフが険しい顔付きで自分を見ている。
「だ、大丈夫で」
「怪我は、ないか……?よかった……」
 ヴィルヘルミナの言葉を遮り、彼は本当に心から安心したように笑った。
「で、でもどうしてこのような、
それに隣とはいえ始めて攻撃が大きく外れたのであります」 
「解らぬか? 敵には、 “視えていないのだ” オレ達の姿が」
 倒れ込んだ棚をスタンドで押し退けたポルナレフが、
精悍に立って詳細を説明する。
「今オレ達が話している声も、
この部屋に “居るコトすらも” 敵には解っていない。
考えてもみられよ。
派手な攻撃に眩まされていたがどこかから見ているのだとしたら、
余りにも 「命中率」 が低いと想わぬか?
“オレと君の区別もなく” ただ無差別に破壊を繰り返すのみ」
「そ、それは、確かに」
 半身になって起きあがりながら、
ヴィルヘルミナはポルナレフの告げた事実を考察した
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