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第二十二話

                   第二十二話  赤音もまた
「ううん」
 赤音もまた自宅でドラムの太鼓の模型を前に悩んでいた。
「どうしたらいいかなあ」
「光をもっと使うってこと?」
「うん」
 使い魔達に答える。
「それなんだけれど」
「悩んでるの?」
 まずはジップが問うた。
「うん」
「それは参ったね」
 ハリーがそれを聞いて述べる。
「どうしたものかしら」
「困ったなあ」
「叩いたらね」
 赤音はまた言う。
「光を出すってどうかなあ」
「それはいいね」
「けれどそれだけじゃね」
「そうなのよねえ」
 それだけでは駄目なのは彼女自身が一番よくわかっていた。だからこそ悩んでいるのである。
「どうすればいいかなあ」
「そうだ」
 ハリーがここで声をあげた。
「どうしたの、ハリー」
「まずは量を増やそうよ」
「光の量を」
「そうすればもっと映えるよ」
「そうね、それがあったわ」
「あっ、そうよ」
 今度はジップが閃いた。
「御主人様、光を跳ねさせましょう」
「地面でよね」
「そうですよ。そうしたらやっぱり」
「いいわね、凄くいい」
「跳ね回る無数の光」
「これはいいですよ」
「うん」
 赤音は二匹の言葉に頷いた。
「そうよね。それで私も思いついたんだけれど」
「何?」
「他の皆とも一緒にやってみたらどうかな」
「他の皆とも?」
「そうよ。どうかなあって思うんだけれど」
「悪くないんじゃ?」
「そうよね」
 使い魔達はそれに賛成であった。
「何でもやってみる」
「失敗したらまた次を考えてみるってね」
「そうよね。じゃあ」
 これで決まりであった。赤音も赤音で春奈と会うべき時であったのだ。


第二十二話   完


                 2006・10・22




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