第三章
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「同じだよ、そこは」
「それで、ですね」
「相手も必死に来る」
「そういうことですね」
「つまりは」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「いいな、覚悟を決めて戦うぞ」
「了解」
「わかりました」
「俺達は爆撃隊に襲いかかる連中の相手をする」
日本機のうちの彼等をというのだ。
「こっちを引き寄せてくる奴等は別の空母の編隊が引き受ける」
「じゃあ俺達はですね」
「そっちは無視してですね」
「爆撃機に来る奴等の相手しますか」
「そういくんですね」
「そうだ、爆撃隊をやらせるな」
彼等を撃墜させるなというのだ。
「爆撃を成功させるなよ」
「ですね、じゃあ」
「爆撃隊守ってやりましょう」
「陸軍さんに手柄立てさせてやりますか」
「陸軍さんにっていうのはな」
少しとだ、こうも言ったマクドネルだった。
「思うところもあるがな」
「ですね、少し」
「今回陸軍さんがメインですからね」
「その陸軍さんの手柄になる」
「俺達はただの護衛」
「それに過ぎないですけれどね」
「しかしやることはやる」
それはというのだ。
「仕事だからな」
「はい、そうですね」
「それじゃあやってやりますか」
「日本軍蹴散らしてやりましょう」
「ここでも」
Ｆ６Ｆに乗っている彼等は通信で口々に言ってだ、アメリカ軍の戦闘機が爆撃機を護衛する時の独特の動きである上下に蛇行、エスの字での運動をしつつ進んでいた。そして。
レーダーにだ、反応が来た。
「来ましたよ、奴等」
「ああ、そうだな」
「左から」
「数は結構あるな」
マクドネルは自機のレーダーを見ていた、そこにもだ。
実際に敵機の反応が出ていた、それを見つつ部下達に言うのだ。
「じゃあいいな」
「はい、俺達は爆撃機の護衛」
「それに徹しますね」
「Ｂー２９の」
「そうするぞ、まああの爆撃機はそう簡単には撃墜されないがな」
Ｂー２９はというのだ、超空の要塞という名前に相応しく多くの機銃を装備していてそれで編隊で飛びつつ弾幕を張りしかも装甲もあるからだ。尚且つ自動消火装置まで備えている。
「やられる時はやられる」
「そういうことですね」
「幾らＢー２９でも」
「だから俺達もいる」
「そういうことですからね」
「ああ、じゃああちらにも連絡するか」
マクドネルは爆撃隊にも通信を入れた、そしてこう彼等に言った。
「あんた達はそのまま進んでくれ」
「爆撃コースにだな」
「ああ、そうしてくれ」
敵機を恐れずにというのだ。
「敵はこっちが引き受ける」
「だから爆撃に専念だな」
「そして帰ってサイパンでステーキでも食ってくれ」
「ははは、バーボンとアイスクリームも欲しいな」
「ベーブ＝ルースみたいにか？」
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